「コンフェデレーション杯 ザックジャパン対ブラジル戦」

2013-06-17 04:14:21 | 「閑話放題」




  「コンフェデレーション杯 ザックジャパン対ブラジル戦」


 最近のザックジャパンの戦いを観ていて、私は随分戦力が落ちて

るなあ、と思っていたので、いまさら「もしかして」などと期待せ

ずに観ていたので[0―3]で負けても何の感慨もなかったが、ただ、

気になったことは、それにしても肝心な時に日本選手はよくコケる

なあ、と思った。サッカーは足を使うスポーツなのでコケてしまえ

ば何もできない。もちろん、相手選手にコカされるからだが、それ

でも主審はファールを取らないことの方が多かった。世界で活躍す

るトップレベルの選手は、たとえば、ブラジルの選手はチャージさ

れてもまずコケない。そしてコカされた時は大概日本選手にファー

ルが宣告されていた。つまり、ファールに対する認識の違いが際立

っていた。途中からファールと認定されない転倒の数を日本とブラ

ジルで比べるために数えはじめたほどだった。その体力の差は歴

然としていた。競り合いで負けるとなるとマイボールを奪われる前に

パスワークで「かわそう」とする。そんなネガティブな苦し紛れのパス

がどれほどあっただろうか。つまり、パスワークは攻撃力があって始

めて効果を発揮することができるが、ただ「かわす」ためだけのパス

ワークは相手に恐怖感を与えない。今の日本代表に必要なのは相手

のディフェンスと競り勝つ突破力だ。ただ、競り勝つために耐久力を

鍛えろなんて言っても今さらの感が拭えない。たぶん、これまでパス回

しやフェイントばかりに凝って肝心のボールを奪われない体力づくりが

等閑(なおざり)になっていたに違いない。ボールを支配するには相手選

手を「かわすしかない」と思っているのかもしれないが、競り勝って奪わ

れないことの方がはるかに支配率は高い。つまり、足技による華麗なる

フェイントはボールコントロールの一つの奇策でしかない。野球で言うなら、

いくら巧妙にバンドを繋いで塁を進めてもホームに還す前にチェンジにな

ってしまうのだ。日本の選手は誰もがメッシのようなテクニカルプレーを目

指しているようだが、フッキのゴッツイ顔がアップになった時に何故か「弁

慶」を思い出した。すると軽快に走り回る香川眞司はさしずめ「牛若丸」だ。

ただ、京の五条の橋の上とはちがって、地球の裏側のブラジルのピッチ

の上では勝手が違った。ブラジルサッカーはこれまでのテクニカルサッ

カーからパワーとスピード重視にシフトしたのではないかと思った。彼な

ら纏わりつく相手ディフェンダーもボールと一緒にゴールに蹴り込むくらい

のパワーを持っているにちがいない。今や世界のサッカーはテクニカル

重視からパワー&スピードへ転換し始めているのではないだろうか。まず、

スピードとパワーを兼ね備えてないとテクニックが活きてこないからだ。ザ

ックジャパンはブラジルのテクニックよりも、スピードとパワーで負けた。


                                  (おわり)