「あほリズム」
(428)
通常国会が閉会した。
今やこの国の政治は、否、この国の有権者は、
社会正義なんかよりも欲望から生まれる幻想を追い求めている。
社会正義が見失われてしまえば、
社会の原点そのものを失ってしまうことを忘れたかのように。
(429)
今の政治家を見ているとニーチェの次の言葉を思い出す。
「〈されば彼らにむかって、もっとも軽蔑すべき者について語ろう。
それは『最後の人間』のことだ〉」
「悲しいかな。もはや自分自身を軽蔑することのできない、
もっとも軽蔑すべき人間の時が来る」
ニーチェ「ツァラトゥストラはかく語りき」『最後の人間』より
(430)
政治不信を記したら、なにも偽装、隠蔽、改ざん、捏造は
政治家だけの事ではないと気付いた。官僚をはじめ名だた
る大手企業の経営者たち、更には教育者までもが社会正義
を見失って惨めな頭頂部をいつまでもテレビ画面に曝して
いたではないか。社会全体が不正に鈍感になっているとす
れば、何れふさげた国へ向かうような気がしてならない。
一言で言えば、何だってこんな杜撰(ずさん)な社会になっ
てしまったんだろうか。
(431)
われわれは今、間違った道を選択したとしても
諦めないで居よう。何故なら、間違った道の選択は
正しい道を選択する確率を高めてくれるのだから。
但し、間違った道に気付いての話だが。