「あほリズム」
(558)
ニーチェは、形而上学的思惟によれば、
「真理とは幻想なり」と言ったが、
しかし、真理から見れば、
「生成としての存在こそが幻想なり」
ということになる。
「あほリズム」
(558)
ニーチェは、形而上学的思惟によれば、
「真理とは幻想なり」と言ったが、
しかし、真理から見れば、
「生成としての存在こそが幻想なり」
ということになる。
『海の「放出しかない」福島第一の汚染水処理』への追記
前環境大臣だった原田義昭議員は、東京電力福島第1原発から出
る汚染水処理について、「(海に)放出して希釈するしか方法がな
い」と述べて批判されたが、そもそも、すでに「世界の、日本の、
全ての原発からは処理水海洋放出が当たり前のように行われており
、何の問題も起こっていない。」(原田義昭氏のブログより)らしい。
それでは、放出しても何の問題も起こらない水を、何故わざわざタ
ンクに貯水したのかということになるが、どうもこの問題で原発推
進派と反対派の自分たちの都合のいい情報だけが声高に叫ばれるば
かりで、自らの主張を裏付けるデータなら信頼性など二の次で、正
しいデータが何であるのかさえ分からなくなってしまっている。た
とえば「稀釈して放出」ということであれば、当然、希釈した量で
はなく、そもそもの汚染物質の総量が問題になるが、そんなことが
まったく語られていない。すでに世界では処理水の海洋放出が当た
り前で、元原子力発電環境整備機構(NUMO)の河田東海夫理事は
「韓国ではその8倍以上のトリチウムを日本海に放出」していると
言うのだが、つまり、韓国の言い分はダブルスタンダードであると
言うのだが、そのデータの発信元が示されていないのは誤解を招く
。また、科学者が科学的認識を逸脱した感情的な反論はまったく基
準にならない。以下はその言い分です。
http://www.gepr.org/ja/contents/20190909-01/
* * *
福島第一のトリチウム水にイチャモンをつける韓国は、
その8倍以上のトリチウムを日本海に放出
2019年09月09日 18:30
河田東海夫
元原子力発電環境整備機構(NUMO)理事
9月5日、韓国の科学技術情報通信省は、東電福島第一原発サイトで
増え続けている「トリチウム水」(放射性のトリチウムを含んだ処
理水)の問題に関し、「隣国として、海洋放出の可能性とこれに伴
う潜在的な環境への影響に深刻な憂慮がある」と記した書簡をIAEA
に送付した。中旬開催予定のIAEA総会で、この問題を加盟国に
訴える(要するに騒ぎ立てる)方針らしい。
ところで、韓国は月城(ウォルソン)原子力発電所で4基のCANDU炉
(重水炉)を運転していいるが(ただし1号機は昨年退役)、この型式
の炉は軽水炉に比べてトリチウム放出量が一桁大きい。
月城原子力発電所からのトリチウム年間放出は、トリチウム回収設
備の導入や一部原子炉の停止などで2010年以降半減しているが、20
09年までは400テラベクレルを超えていた。4基体制に入った1999年
10月以降だけで見ても、これまでに累積で6,000テラベクレルを超
えるトリチウムを放出してきた。
福島第一原発に貯留されているトリチウム総量は760テラベクレル
(2016年3月時点)なので、月城原子力発電所の累積放出量はその
約8倍にあたる。しかもその放出先は日本海である。
こうした事実をふまえれば、韓国が日本のトリチウムにイチャモン
をつける資格など全くない。韓国の科学技術情報通信省の実務レベ
ルの役人はそういう事実関係は承知しているはずだが、それでも「
不都合な真実」には頬かむりし、日本叩きに邁進するのが文政権の
方針なのだろう。
もっとも、月城原子力発電所がこれだけのトリチウムを放出したか
らと言って、日本国民はそれに目くじらを立てるべきではない。そ
れは自ら知性のなさを暴露するようなものだからだ。
月城原子力発電所からのトリチウム放出の影響評価のデータが手元
にないので、CANDU炉の本家であるカナダの例を借りると、オンタ
リオ州にあるブルース原子力発電所では年間600~700テラベクレル
のトリチウムを放出している。
カナダ原子力規制委員会の報告によれば、それによる近隣住民の年
間被ばくは0.0015ミリシーベルト程度に過ぎない。日本人の自然界
からの年間被ばくの2.1ミリシーベルトと比べ、まったく問題にな
らないレベルであり、健康影響など、心配するほうが損をする。
月城原子力発電所の放出はこれより低めなので、そんなことに日本
国民が抗議するとしたら、それはまったく非科学的なイチャモン付
けになってしまう。国家レベルで知性と品格のなさを暴露するよう
なものだ。韓国が今行っている日本食品の放射線汚染喧伝やトリチ
ウム問題批判は、まさにそれで、まるで悪徳あおり運転のようでも
ある。
実は、韓国が上述書簡をIAEAに送った前日の9月4日、政府は韓国を
含む各国大使館向けに、福島第一原発汚染水問題に関する説明会を
開いたが、韓国のイチャモン付けの熱冷ましには全く役に立たなか
った。
韓国に対しては、しかるべきチャンネルで「問題のトリチウムは総
量でカナダ・ブルース発電所の年間放出量に近く、貴国月城原子力
発電所のかつての年間放出量と比べても2年分に満たず、決してと
んでもない量ではない。
仮にこれを海洋放出する場合も、貴国同様に国際基準に合致したや
り方できちんと行うので、無用の心配をなさらぬように。貴国月城
原子力発電所からは、これまでに福島第一の総量の8倍を超えるト
リチウムを放出してきたが、我が国は、科学的にはその安全性がき
ちんと担保されていることを冷静に認識し、これに疑念を示すこと
はなかった」というメッセージを直接伝えるべきだろう。
* * *
これがわが国の最先端の科学者の理性なのか。あまりにも感情が
勝っていて情けなくなる。