「あほリズム」
(588)
かつてサルトルはこう言った、
「我々はつねに自分自身に問わなければならない。もしみんながそ
うしたら、どんなことになるだろうと」
世界の人口はすでに70億人を超え、にもかかわらず地球は誕生以
来その大きさはほとんど変わっていない。もし、その70億を超え
る人々が近代的な生活を望むとすれば、つまり、「もしみんながそ
うしたら、どんなことになるだろう」。自然が再生できないほどの
大量の物質が排出され、また人間が作り出した自然循環しない人工
物質も地球環境に様々な弊害をもたらすことはすでに我々も認識し
ている。しかし、そもそも近代資本主義経済とは、みんなが欲する
ものを大量に消費する仕組みであり、「みんながそうする」ことに
よって成り立っている。いま我々が問われているのは、それが「ど
んなことになるだろうと」いうことである。