「あほリズム」
(663)
地方の若者が夢を抱いて上京して、ただ寝泊りするだけのために
借りた狭いワンルームで、ところがウイルスの感染症が流行ると当
局から「出歩くな!」と命じられたら、かつて東京で夢だけは見た
ことのある私からすれば、そりゃあほとんど監禁状態に違いないと
同情する。憧れの東京に出て来て部屋に閉じ籠っていれば東京に来
た意味がないじゃないか。彼らの憧れの「東京」は部屋の外にしか
ないのだから。
(664)
近代都市を定義するとすれば、経済効率至上主義を実現するために
「密閉、密集、密接」した社会空間であるとすれば、新型コロナウイ
ルスのパンデミックによってそれら「三密」を避けるように訴える東
京都は「都市崩壊」するしかない。