「あほリズム」(767)

2020-10-21 01:28:09 | アフォリズム(箴言)ではありません

         「あほリズム」

 

           (767)

 

「生成そのもの――すなわち現実の全体――は、《いかなる価値をも

そなえていない》。」「というのは、存在者の全体の外には、この全

体にとって条件となりうるようなものは、もはやまったく存在してい

ないからである。」    ハイデガー著「ニーチェ」Ⅱ、354頁

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 価値とは相対的価値である。全体は相対化できない。たとえば、全

国民が等しく億万長者になれば、億万長者としての価値はなくなる。

 世界を外部から見れば、世界は存在することのいかなる《価値》も、

つまり生きることのいかなる《意味》もそなえていない。生きること

が《無意味》であるなら、自殺することは《理》には適っている。た

だ、命《生成》は《理》によってもたらされるわけではない。つまり、

「実存」は《理性》に先行するのだ。