吉田拓郎 2006
ミノルホド コウベヲタレル イナホカナ 2006年12月2日 神戸国際会館こくさいホール
初めて目にした拓郎ライヴのあまりの充実振りに感激し、自力でセットリストの作成に取り掛かってみたのだが、努力する事も無くあっさりと断念した。
努力するのはキライだ、というか、ワタクシに「努力」という言葉は似合わない。
2曲目はわかる。
2曲目はペニーレーンでバーボンだったが、その前の1曲目のタイトルからしてわからない、、、、、、
1曲目は、静かな曲調で、サビの部分の歌詞が「外は雨、、、、、」で始まる曲だったが。
他にもタイトルがわからない曲が全体の3分の1くらいを占めていた原因はというと、どうやらワタクシの拓郎熱の薄さにあるようだ。
吉田拓郎のアルバムはローリング30あたりから、あまり聴かなくなってしまったのが災いしたのだろう。
因果応報。
まあ、いいさ。
先般のNHKつま恋生中継を収めたDVDを友人から借り出して鑑賞していたので、それが良い予習になった。
PCのしょぼいスピーカーで、つまんない解説付きのつま恋のDVDを聴くよりも、こくさいホールに響く拓郎の歌と瀬尾一三と六甲は雨で景色は何も見えなかったバンドの演奏は、¥10,000のチケット代金以上の熱さを伝えてくれた。
おそらく、ワタクシ一人だけだったとすると、この日の拓郎ライヴにには参加していなかったと思われる。
誘ってくれたヤツに感謝、感謝、大いに感謝
2階席からの参戦だったが、あらためて見下ろしてみると、このホールの2階席は他のホールに比べると高い位置にあるような気がする。
真下を見るのが怖いもん。
見下ろすと、ステージはもちろん、1階席のステージ寄り前側の半分くらいが見渡せるのだが、静かだった1曲目はまだしも、2曲目のペニーレーンでバーボンが始まると、ワタクシから見渡せる範囲の1階席の観客が総立ちになっているのが確認できた。
事前の予想通りに、年齢層の高いライヴである。
当然の如く、つま恋に集まった観客達の年齢層とリンクする。
「オジサン達もオバサン達も熱いやないか~」
2階席はというと、ほとんどが座っている。
その原因は、2階席があまりに高い位置にあるので、一番前の席の人が立ち上がれないのだろう、と推理した。
前の人が立ち上がれば、しぶしぶ(あるいは嬉々として)皆立ち上がっていただろうが、
手摺があるとは言えあの高さで立ち上がって踊ったりすると、ちょっとノリ過ぎると1階席に真っ逆さまに落っこちる可能性の方が大だと思う。
もっとも、充分に大人の年齢の集合体である。
立ち上がっていた1階席の紳士淑女たちは、拓郎のMCあたりで静かに着席していたようだ。
かねがねライヴにおけるスタンディング問題については一家言を持つワタクシではあるが、もしも万が一、この日、1階席に座っていたとすると、きっと2曲目どころか1曲目からスタンディングポジションを取っていただろうという事を宣言する。
偉大なる例外として、『拓郎とストーンズはスタンディングOK論』を主張して止まない。
この件についての異論は、一切受け付けない
「拓郎の声が出ていない。」
あるいは
「拓郎、、、、、、、歌が下手になっちまったのか、、、、、、?」
と
つま恋生放送のDVDを鑑賞した後に感じたのだが、野外というシチュエーションもあったろうが、あれはきっとNHKが悪い。
神戸で聴いた拓郎は、メチャメチャ声も出てるし、メチャクチャ上手いじゃないか
特にバラード
言葉とか外は白い雪の夜なんか、最高
もうひとつ、つま恋生中継ではわからなかった事がある。
拓郎が弾くギターの音って、ちゃんとPAから出力していたんだね~
昔みたいにアルペジオで弾き語りじゃなくてコードストロークに専念しているし、バックにギタリストが2人ついているので、ヴォリュームを絞ってるんだと思い込んでいたら、拓郎のギターの音もちゃんと聴こえてきた。
それに、ギターを弾きながら歌っている姿は、なんてカッコ良いんだ。
この人は、昔から運動オンチというイメージがあるが、両足の足首と膝が、リズムに乗って柔らかく動いている。
関節の使い方が上手い。(その誉め方、なんやねん?)
前半3分の1ほどは、拓郎を含めて7人編成(ギター2人、キーボード2人、ドラムス、ベース)のバンドだったが、この指とまれから、コーラス4人(男女2人ずつ)、ホーンセクション4人、ストリングス8人、指揮者1人(瀬尾一三)が合流しての大編成となった。
たぶん、つま恋の時と同じメンバーだろう。
拓郎のすぐ後ろに立ったコーラスの4人が踊りながら歌いだすと、ビジュアル面でも、ステージは一気に華やかさを増した。
そのうち、女性コーラスの2人の動きが目を引いた。
中でも、向かって左側の髪が長い方のお姉さんは、登場するや否や、既にノリノリ状態で踊りまくり、拓郎をしのぐカッコ良さ
それまでは、双眼鏡で拓郎のアップを追いかけていたワタクシだったが、ここでこのコーラスのお姉さんにもズームするという浮気心が芽生えてしまった、、、、、、
このコーラス隊のダンシング&シンギングにつられてか、一度は静まっていた1階席のあちこちでスタンディング客が発生。
ラジオの深夜放送で鍛えた拓郎の軽妙なMC(相変わらず逆説的な表現が多いが 笑)と歌が、その勢いを加速していく。
途中休憩無し、アンコール無し、開演前の宣言通り、ぶっ続けのライヴで終演予定の20時半のゴールまでの流れが、誰の目にもそろそろ見えてきた頃。
いよいよ、春だったねからの怒涛の大団円に向けて、1階席は全員こぶしを振り上げて大合唱状態。
2階席はというと、相変わらず座ったままだが、これまた大合唱
最後の曲は、つま恋と同様、今日までそして明日から。
ただし、つま恋の時とは違い、宣言通りに今回はアンコール無し。
何度も何度もリフレインした後、この曲が終わるやいなや、これ見よがしに客電が点灯。
誰一人不満を口にするわけでもなく、観客達は、心身ともに体温が上昇した状態で、こくさいホール名物の長~~いエスカレーターを行儀良く降りて行った。
つま恋DVD予約テーブルには、次から次と予約申込書を手にした人達が詰め掛けていた。
特典映像(中島みゆきと拓郎のハグシーンなど)付きの3枚組DVDが、¥12,800。
写真集、記録集、楽譜集、観客の声を4分冊に集めた公式記録BOX(書籍)が、¥9,800。
皆、大人買いの楽しみ方を知っている世代だ
そうそう、
つま恋中継の時から、気になっていた事がもう一つあった。
あいにく、つま恋生中継のDVDを既に返却してしまったので、確認のしようがないのだ、、、、、
この疑問には、ワタクシのような若輩者ではなく、ず~っと拓郎を追っかけた方に是非ともご教授いただきたいのだが、、、、、、
オリジナルアルバムに収録された時と、キーを変えている曲がなかったですか~?
双眼鏡でのぞいた拓郎のギターのカポタストの位置から推測するに、外は白い冬の夜は、キーを変えていたという疑惑が浮かんだ。
(もっとも、この曲では、ギターを構えているだけで、結局、拓郎はギターは弾いていなかったが。)
先ほど、手持ちのCDで確認したらば、原曲のキーはGなのだが、、、、、?