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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『ニューヨーク、親切なロシア料理店』-タイトルだけからは想像しきれない現代社会の様々な悩みや困難と、それに取り組む優しさと愛情に拍手

2021-01-14 00:10:16 | 心に残る名画
   【 2021年1月11日 】      京都シネマ          原題“The Kindness of Strangers”「見ず知らずの方々の親切」

 最初タイトルを見たときは、《スタッフの奇抜なアイディアや天才シェフの名物料理で、落ちぶれたレストランが盛り返し、客をたくさん集め繁盛した料理店の成功物語か》くらいに思っていたが、予告編を見てちょっと違うと思った。

 確かに、ニューヨークにあるというその「ロシア料理店」は変わっていたが、店の成功物語ではない。

         
                【 支配人とマーク 】

 支配人は変わっているし、集まるスタッフも普通じゃないけど、この映画の主役はここを”避難場所”として、たまたま訪れた母子3人の「ホームレス」だ。「ホームレス」といっても訳ありだった。父親の暴力に耐えられず、家を捨て、車1台に乗って田舎からニューヨークに逃げてきたのだ。お金も持たず、ほうほうのていで逃れてきたが、駐禁で車もとられたうえ、寝る場所もない。

                                      
                                          【 図書館の中で 居場所を求める家族 】

 母親は今日を生き延びるために、あらゆる手段を尽くす。万策尽きて、一軒の家のドアをくぐる。菅御師の仕事をしながらフードバンクや社会復帰のためのセラピーグループでボランティア活動をするアリスの家だった。

                     
                        【 アリスの家の玄関で 】

 昨年見た映画で「家族を想うとき」を思い起こす。そちらは、リストラで仕事を失った人々が更に「GAFA」などの企業にさらに虐げられ絞り取れれ苦しめられる、家庭崩壊の寸前の状況を何とか立て直そうとする庶民の様子を描いたイギリスの話だったが、新自由主義が跋扈する中で、こちらの映画は「夫のDV」が発端のようだが、いずれの国でも苦しめられるのは最下層の人たちであることに変わりないことを思い知らされる。

                                                  
                                                         【 フードバンクの会場で 】                               

 違いは、「家族を想うとき」の結末は、《これから一体どうなるのだろうか》とういうくらいが下があったが、こちらはアメリカらしく、ハッピーエンドとはいかないまでも「希望が持てる」結末だった。


                            
                                 【 アリスとジェフ 】

 それにしても、もう少し映画の題名が何とかならないかと思う。現題は一番上に書いたように《The Kindness of Strangers》であるが、その邦訳の《見ず知らずの方々の親切》ももう一つしっくりこない。なんか、いいタイトルなないものか。

 出演者はいずれも個性的で、皆よかった。この映画の公式サイトは、写真が豊富でかなり充実していて、写真も何マオ以下借用させてもらった。

 一見の価値のある映画である。

                 
                    【 母:クララ 】                     【 看護師:アリス 】

                               
                                      【 支配人:ティモフェイ 】


       
         【 マーク 】                         【 ジョン 】                         【 ジェフ 】





                    
                       【 弟 ジュード 】                      【 兄 アンソニー 】




                                                    
                                                         【 監督のロネ・シェルフィグ 】

    
    『ニューヨーク、親切なロシア料理店』-公式サイト




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