【2011年4月27日】 京都シネマ
ショパンの生誕200周年を記念して作られた、ジョルジュ・サンドとの愛とその家族との葛藤を中心に描いた音楽映画である。ショパンの映画というよりジョルジュ・サンドが前面にでて、ジュルジュ・サンドの映画のような感じだった。
サンド役は別として、ショパン役の男優(ピョートル・アダムチェク)のほうは、どうもイメージが違うというか、しっくりこない。怒ったときの声が良くない。(ショパンはもっと繊細ではなかったかと自分で勝手にイメージを描いているのだが。-自分の中では、ショパンはどこかハインリ・ハイネと通じるものがあるような気がする。)
映画のすじとして、もっと時代背景なり、ショパンが「祖国ポーランドをいかに愛していたか。」という内面をもっと描いてほしかった。音楽は叙情的でいいのだが、描写までも叙情性に流されるのではなく、「ワルシャワ蜂起」がどのようにショパンの内面を襲ったかとか、当時の状況にいない観客にわかりやすく時代背景を描かないと、共感も得られない。
パリに乗り込んで、楽譜を示し売込みを図るが、あまりにも斬新的な手法も為、当時のパリの社会には受け付けてもらえなかった、実際の演奏を交えてのシーンだけは、わかりやすかった。
ヨーヨーマをはじめとしてそうそうたる演奏家も映画を支えているというので音楽を期待したが、演奏は断片的で変にアレンジされて、2年間かけて選曲したという割には、どこか物足りない。
最近、音楽家を題材にした映画が目につく。このあとも「マーラー」、「ラフマニノフ」、「ナンネル・モーツァルト」と続く。「アマデウス」のような見応えのある映画が出てくるのだろうか。
「ショパン-愛と哀しみの旋律」-公式サイト