【 2022年2月3日 】 京都シネマ
先の衆議院選挙(2021年10月30日投票)で「香川一区」では、初代デジタル大臣に就任した平井卓也と、紆余曲折があって立憲民主党に修まった小川淳也の因縁の対決になった。過去、小川サイドから見ると1勝6敗と、かなり分が悪かったが、今回は直前の平井大臣の不適切発言や前回映画の“後押し”もあって小川陣営の勝利に終わった。
【 二人のポスター 】
過去のデータを見れば、小川淳也が唯一勝利した2009年の選挙(この時民主党が大勝利して政権交代が実現している)の香川一区の投票率はなんと70%を超えていた。
【 過去の投票結果データ 】
そして今回も、それには及ばないが、前回(2017年の選挙)より5%も多い57.5%を記録している。全国の投票率がやっと50%を超える状況を考えると、やはり香川一区は燃えていたのか。
【 今回の投票結果 】
普通の家庭に生まれた候補者が保守の地盤で、しかも相手は《香川のメディア王》を誇りしかも現職大臣を相手に選挙を勝利するということが如何に困難だったかが分かるが、やはり投票率が鍵だった。前作映画の影響で知名度が《全国区》になり、その影響で小川淳也の人となりが理解されて、若いボランティアが日本中から駆けつけたことも大きい。
多くの若者が、政治に関心と意識を持って、自らの問題と捉え一人でも多く投票に行くことが肝心だ。
【 自転車で遊説する小川淳也 】
家族総出の選挙も前回の映画で紹介され、今回も同様だ。
【 選挙活動する家族 】
【 小川の両親 】
相手候補の《失態》も小川陣営の勝利に結びついた。あんな《恫喝めいた発言》をしておいて《軽い冗談》みたいに言うのはどうかしている。どう見ても、本態をさらけ出したとしか思えない。インタビューを断られると思ったと大島監督は言っていたが、弁明がましく言う平井議員に余裕は感じられなかった。
【 監督のインタビューを受ける平井卓也 】
この選挙の結果、自民党も議席を減らしたが、立憲も共産党も減らした。その代わりに日本維新が台頭してきて、大阪での辻元さんの落選は象徴的出来事だった。だから、香川一区の結果は、ある意味特殊だったように思える。
【 香川2区を選挙区とする国民民党の玉木雄一郎と 】
この総選挙後の政情は不可解なことばかりだ。(この点を先送りし、触れなかったことが、今度の映画の物足りなさを示しているような・・・)
1つは、「連合」の新会長とその発言だ。「共産党が推薦する候補は連合は一緒に闘わない」みたいなことを言ったと伝えられているが、野党が1つにならないで《どうして自民党に勝てるのか》というのだ。連合や立民だけで勝てると思っているのか。それとも国民民主やはたまた日本維新と組めばいいと思っているのだろうか。映画の中で、「連合」の旗も見えて、応援しているのだなと思ったが、他の地方組織では野党が市民とも統一して一本化して選挙に臨もうとしているところが多いのに、何を考えているのだろうか。
「国民民主」の玉木党首は、以前はもっとマシな考えを持っている人物と映っていたが、「連合」に配慮したのかどうか、最近どんどん右に傾いていくような気がする。「希望の党」はおろか「維新」と一緒にやりかねない。
枝野党首が責任を取って辞めた後の党首選で、泉新代表(京都3区で実質的に共産党その他の政党の応援も受けて当選しているにもかかわらず。)に決まったとき、前原誠司の《二の舞》になるんではないかと危惧していたが、案の定、昨日「共産党との協定は白紙」と言ったとか。共産党と組んだことが《立民が議席を減らした原因》だと言わんばかりに。(小川淳也も立候補したが、この選挙に勝たなかった方が良かったと思う。そうでなかったら、今の状況ではもっと辛い立場に追い詰められるだろうから。)
それと、やはり「日本維新の会」の動向だ。菅直人元首相が言い出すまでもなく、《維新のやり方がどこかナチスを想起する》というのは普通の感覚ではないのか。「維新の会」はあたかも労働者の見方のような顔をして、政権党と裏で手を組み、プロパガンダを利用し仮面をかぶっている。財界やマスコミも、共産党を含んだ市民勢力が勢力を増すより、維新と手を組んだ方がましだと考えているのかと、思う。それは、単に「《演説が巧み》な事だけでヒトラーを想起させる」のではなく、他を批判する際の《基準》を決して自己に適用することのない《ダブル・スタンダード》をはじめ、「維新」のやり方を含めた維新の立ち位置・時代背景が、まさに1930年初頭のナチス・ドイツのたどった道を想起させるのだ。
大阪読売新聞社と維新の会で交わされた「包括連携協定」はその最たるものだ。
【 当選に沸き返る支持者 】
敵基地攻撃能力を探り、あわよくば憲法改悪をたくらむ、めちゃくちゃな自民党・公明党連立政権を倒すには、広範な市民を巻き込んだ「野党共闘」しかないと言うことが、どうして分からないのだろうか。
ドキュメンタリー映画『香川一区』-公式サイト
この公式サイトは、写真も豊富で、「香川一区の事情」「ふたりの対立点や過去の選挙の記録」「この間の出来事」
などの貴重なデータの他、多くのコメントも寄せられ、内容豊富で一見の価値あり
『なぜ君は総理大臣になれないのか』-マイブログへ
先の衆議院選挙(2021年10月30日投票)で「香川一区」では、初代デジタル大臣に就任した平井卓也と、紆余曲折があって立憲民主党に修まった小川淳也の因縁の対決になった。過去、小川サイドから見ると1勝6敗と、かなり分が悪かったが、今回は直前の平井大臣の不適切発言や前回映画の“後押し”もあって小川陣営の勝利に終わった。
【 二人のポスター 】
過去のデータを見れば、小川淳也が唯一勝利した2009年の選挙(この時民主党が大勝利して政権交代が実現している)の香川一区の投票率はなんと70%を超えていた。
【 過去の投票結果データ 】
そして今回も、それには及ばないが、前回(2017年の選挙)より5%も多い57.5%を記録している。全国の投票率がやっと50%を超える状況を考えると、やはり香川一区は燃えていたのか。
【 今回の投票結果 】
普通の家庭に生まれた候補者が保守の地盤で、しかも相手は《香川のメディア王》を誇りしかも現職大臣を相手に選挙を勝利するということが如何に困難だったかが分かるが、やはり投票率が鍵だった。前作映画の影響で知名度が《全国区》になり、その影響で小川淳也の人となりが理解されて、若いボランティアが日本中から駆けつけたことも大きい。
多くの若者が、政治に関心と意識を持って、自らの問題と捉え一人でも多く投票に行くことが肝心だ。
【 自転車で遊説する小川淳也 】
家族総出の選挙も前回の映画で紹介され、今回も同様だ。
【 選挙活動する家族 】
【 小川の両親 】
相手候補の《失態》も小川陣営の勝利に結びついた。あんな《恫喝めいた発言》をしておいて《軽い冗談》みたいに言うのはどうかしている。どう見ても、本態をさらけ出したとしか思えない。インタビューを断られると思ったと大島監督は言っていたが、弁明がましく言う平井議員に余裕は感じられなかった。
【 監督のインタビューを受ける平井卓也 】
この選挙の結果、自民党も議席を減らしたが、立憲も共産党も減らした。その代わりに日本維新が台頭してきて、大阪での辻元さんの落選は象徴的出来事だった。だから、香川一区の結果は、ある意味特殊だったように思える。
【 香川2区を選挙区とする国民民党の玉木雄一郎と 】
この総選挙後の政情は不可解なことばかりだ。(この点を先送りし、触れなかったことが、今度の映画の物足りなさを示しているような・・・)
1つは、「連合」の新会長とその発言だ。「共産党が推薦する候補は連合は一緒に闘わない」みたいなことを言ったと伝えられているが、野党が1つにならないで《どうして自民党に勝てるのか》というのだ。連合や立民だけで勝てると思っているのか。それとも国民民主やはたまた日本維新と組めばいいと思っているのだろうか。映画の中で、「連合」の旗も見えて、応援しているのだなと思ったが、他の地方組織では野党が市民とも統一して一本化して選挙に臨もうとしているところが多いのに、何を考えているのだろうか。
「国民民主」の玉木党首は、以前はもっとマシな考えを持っている人物と映っていたが、「連合」に配慮したのかどうか、最近どんどん右に傾いていくような気がする。「希望の党」はおろか「維新」と一緒にやりかねない。
枝野党首が責任を取って辞めた後の党首選で、泉新代表(京都3区で実質的に共産党その他の政党の応援も受けて当選しているにもかかわらず。)に決まったとき、前原誠司の《二の舞》になるんではないかと危惧していたが、案の定、昨日「共産党との協定は白紙」と言ったとか。共産党と組んだことが《立民が議席を減らした原因》だと言わんばかりに。(小川淳也も立候補したが、この選挙に勝たなかった方が良かったと思う。そうでなかったら、今の状況ではもっと辛い立場に追い詰められるだろうから。)
それと、やはり「日本維新の会」の動向だ。菅直人元首相が言い出すまでもなく、《維新のやり方がどこかナチスを想起する》というのは普通の感覚ではないのか。「維新の会」はあたかも労働者の見方のような顔をして、政権党と裏で手を組み、プロパガンダを利用し仮面をかぶっている。財界やマスコミも、共産党を含んだ市民勢力が勢力を増すより、維新と手を組んだ方がましだと考えているのかと、思う。それは、単に「《演説が巧み》な事だけでヒトラーを想起させる」のではなく、他を批判する際の《基準》を決して自己に適用することのない《ダブル・スタンダード》をはじめ、「維新」のやり方を含めた維新の立ち位置・時代背景が、まさに1930年初頭のナチス・ドイツのたどった道を想起させるのだ。
大阪読売新聞社と維新の会で交わされた「包括連携協定」はその最たるものだ。
【 当選に沸き返る支持者 】
敵基地攻撃能力を探り、あわよくば憲法改悪をたくらむ、めちゃくちゃな自民党・公明党連立政権を倒すには、広範な市民を巻き込んだ「野党共闘」しかないと言うことが、どうして分からないのだろうか。
ドキュメンタリー映画『香川一区』-公式サイト
この公式サイトは、写真も豊富で、「香川一区の事情」「ふたりの対立点や過去の選挙の記録」「この間の出来事」
などの貴重なデータの他、多くのコメントも寄せられ、内容豊富で一見の価値あり
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