この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『マルティニークからの祈り』-韓国の主婦が麻薬密輸犯にされ、カリブ海の刑務所に収監!と稲沢市議事件

2014-08-31 22:44:30 | 最近見た映画


          【2014年8月31日】   京都シネマ

  2003年10月、パリのオルリー空港で実際に起こって事件を題材にしている。韓国の普通の主婦が騙されて麻薬に密売人にされてしまい、フランスの警察当局に身柄を拘束される。釈放されるまでの765日間の苦悩を綴った、ドキュメンタリー風の映画だ。

                       


 冒頭、オルリー空港で拘束される場面からいきなり始まる。
 そのあと、【どうしてそんの危険なことを引き受けたか】の謎解きで数年前の話に戻る。

 4歳の子供を抱える、どこにでもいそうな幸せそうな普通の夫婦。それがある日、借金の保証人になったがためにそれまで住んでいた家を売り払い、狭いアパート住まいに追いやられる。(韓国では、今でもあんな《消費者金融》のような法外な利息を取る業者がまかり通っているのかと、びっくり!)

 そこに夫の後輩にあたる人物から危ない話が転がり込む。妻であり娘の母であるジョンヨンは始め、夫がその話に乗り気であることに警戒感をもって止めに入っていたのだが、ある日自分がその役を引き受けてしまう。
 『金の原鉱石」の入ったバッグをフランスに運ぶ』という役割を。

          


 映画の中で、在仏韓国大使館の【体たらく振り】-海外における自国民の安全と生命を守るという使命をほったらかしにするばかりか、意味のない《視察》に訪れる議員の接待に精を出す一方、大事な裁判書類に目も通さず破棄してしまうという大失態も犯す-や、ジョンヨンが送られたカリブ海のマルティニーク島の刑務所の女所長の【悪行】も描かれているが、その後の追及もなく【処置・処分】については(領事が中央アジアに左遷になったという意外は)一切触れられていない。
 『勧善懲悪』の筋道から言えば、何か物足りなさを感じるが、この映画としては、母親の執念として『何としてでも祖国に帰りたい、娘の元に1日も早く返りたい』という心情を、優先して描きたいと思ったのかもしれない。

   
                               


 あとは、この映画を見た人がそれぞれに感じ取り、今後の行動に反映させれば良しとする、ということか。

      ○         ○         ○

 麻薬密売に絡んだ似たような事件が中国で摘発されたことが、一昨日の新聞で報道されていた。日本人である桜木琢磨という市会議員が、広州で捕まったというのだ。中国では重罰主義がまかり通っており、特に麻薬に関しては厳しく、5Kg以上の麻薬を所持していた場合は、15年以上の懲役か無期懲役が当たり前で、死刑もありうるということである。死刑判決が出たら躊躇することなく刑が執行される前例が多い。(過去4人の日本人が同罪で起訴され死刑判決がおりて、刑が執行されたと聞く。もっとも、今回の場合と違って密輸に実際に積極的にかかわっていたようであるが。
 桜木さんは「騙された」といって無罪を主張していると言うが、日本の常識では通用しない《例の中国》である。
 こちらの方は、現実の現在進行形の事件であるだけに、事件の真相を含め、当局がどのような対応をするか、しっかり見守っていく必要がある。

      ○         ○         ○

 かなり以前であるが(映画のタイトルも忘れてしまったが)同じような内容の映画を見た記憶がある。女性(学生?)仲間が4人くらいで海外旅行に行くのであるが、旅先で旅行鞄をすり替えられ、知らないうちに密売人の運び屋にされた挙げ句、空港で拘束され刑務所に入れられ周囲の人や家族が解放しようと努力するが、何年も帰れないという似たような話だった。

 わたしも、たまに海外旅行に出かけるが、その映画のことが頭に残っていて、旅行用のボストンバックの表には自分のサインを大きく3箇所に入れて【容易に似たような鞄にすり替えられないように】と配慮したものだ。

 それから、今後海外に行く人は、【見知らぬ人から、安易に荷物を預からないこと】を肝に銘じることだ。



  『マルティニークからの祈り』-公式サイト






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『マダム・イン・ニューヨー... | トップ | 『金持ちは税率70%でもい... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近見た映画」カテゴリの最新記事