【 2017年9月13日 】 TOHOシネマズ二条
「海街ダイアリー」、「そしてして父になる」の是枝監督が作ったのだから、《はずれはないだろう》と思い、観に行く。私の個人的な感想では「海街diary」や「そして父になる」の方が好きだ。同じ深刻な内容にしても「誰も知らない」の方が良かった。
話が複雑で、難しすぎるのである。
とは言っても、場面の端々に《日本の司法制度の問題点》が垣間見られる。
それに、裁判は【真実】は二の次で、駆け引きで勝ち負けを争う一種のゲームのようになってしまって傾向が、アメリカの影響か、最近強いように思われる。その背景には【真実】を追求したら切りがない、あるいは【真実】など知り様がないという世相や風潮があるのかもしれない。監督は、その辺の事情も入れたかったのではないかと、かってに推測する。
【 意味ありげな殺人現場 】
サスペンスドラマ(映画)というのは、複雑な展開や推理を追うのに忙しく、どうも生活感の描写が抜けてしまう。
被害者・三隅の家の生活がどうだったのか、母と娘の日常がどうだったのか見えてこない。
【 母(斉藤由貴)と娘(広瀬すず)】
【 女検察官役の(市川実日子)】
それに比べて、法廷での検察官役の市川実日子はクールな役柄がぴったりで、臨場感があった。
役所広司はさすがにうまいが、30年前に殺人を犯し、重盛の父に「生きていく価値のない男だった」と言われ様な人物には到底見えなかった。
重盛弁護士はかっこよすぎるし(弁護士にしては)、父子の関係が断片的で、よくわからない。
【 役所広司 】
【 広瀬すず 】
【 福山雅治 】
いろいろ文句を並べたが、全体としては見ごたえのあるものだった。特に、カメラが良かった。
終わって、映画を振り返ってみたら、三隅(役所広司)が係わったという殺人事件は2回しか描かれていない。《三度目の殺人》とは・・・国家権力による合法的殺人=《死刑》を暗示しているのかと。
『三度目の殺人』-公式サイト