【 2017年2月13日 】
NHKBSで2月11日(土)に放送されたドキュメンタリ-番組『殺人者34万人の帰郷~ルワンダ虐殺22年目~』を録画映像で見る。
映画『ホテル・ルワンダ』や『ルワンダの涙』はもう10年以上前に見たが、残酷なシーンを思い浮かべる。更に事件の詳細を知ったのは『ジェノサイドの丘』だった。もうあの事件から22年が経ったのか。
番組の案内には以下の記述がある
1994年、ツチ族とフツ族の対立によって80万人以上が殺されたルワンダ虐殺。死刑制度のない
ルワンダでは今、虐殺に関わった重罪犯たちが刑期を終え次々と釈放されている。その数、およそ34
万人。ルワンダは虐殺の加害者と被害者遺族とが隣り合って暮らす特異な状況となっている。番組では
釈放された虐殺犯の帰郷に密着。被害者遺族との初めての面会から和解までの全貌を記録。
被害者と加害者が隣り合って暮らす社会で和解の道はあるのか。
番組を見て、「ルワンダに死刑制度がない事」、あれほど大規模で無秩序と思える大虐殺がおきた国で、その後「裁判があり、殺人者たちが捉えられ、収監されていたこと」、「その数34万にのぼる殺人者たちの多くが刑期を終えて次々出所していること」などを初めて知った。そのすべてのことが、【ありえない】と思えるほどショックだった。
さらに驚くのは、釈放された多くの人々(元殺人者)が故郷に帰り、被害者と隣り合って暮らすというのだ!
そんなことができるのか! ひとりや二人でなく34万もの人が。
番組では、そのうちの一人の釈放後の1週間ほどの様子を追う。
自分が被害者の立場だったら、そんな状況は考えられないと思うし、絶対に許せないと思う。しかし《元殺人者》は被害者の家族に許しを請う。自分なら《どうしようもない状況》におかれ固まってしまうし、画面も正視できないくらい辛い状況だ。
《映画での《虐殺》のワンシーンを思い起こす。》
面会を重ね、《被害者家族》は《元殺人者》を許す。
もともと『ツチ族』も『フツ族』も隣り同士、諍いもなく仲良く暮らしていたという。対立を持ち込んだのは、植民地支配ををしていた宗主国の「ベルキー」だ。
たった一人の例だけであるが、番組を見ていると、『ルワンダの民』は元来、争いを好まない、温和な民族に思える。日本やヨーロッパの《先進国》の人々には到底創造できない優しさがあるように思えた。
その民が、どうしてあのような虐殺事件を起こしたか、疑問が残る。《くるった》としか言いようがないが、他の多くのケースはどうなるのか。何せ34万人なのだから。
衝撃的なドキュメンタリーだった。
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