【 2021年2月16日 】
在学時代から、正門のバス停の真ん前にある「美術館」の存在は知っていたが、ほとんど中に入った記憶がない。今回、新聞に紹介されていて、展覧会のタイトル『憧れのヨーロッパ旅行』に惹かれて訪問する。バスを乗り継いで行けば、ものの30分ほどで着く距離なのに、どうして今まで行かなかったのかと思う。(そういえば、ずっと以前に東郷青児の展覧会で1回訪れて、その時の印象の良くないのが、記憶のどこかに残っていて敬遠したのかも。堂本印象と東郷青児を混同していたようなことが影響していたのかもしれない。)
今回新聞の記事を見て、ぜひ美術館を訪れてみたい思ったのは、展覧会のタイトルだった。『憧れのヨーロッパ旅行』-自分らが、長年思い続けていた”夢”が実現したのは、子育ても終わり退職を数年後に控えた時だった。その自分らの気持ちと、時代こそ違う、戦後10年ほどしかたっていない時期に渡欧した堂本印象の気持ちと、紹介されていた絵をみて、何か重なる部分を感じたからだった。
派手な外観を見て、以前もこんなだったかなと思う。
受付でお金を払おうと思ったら、なんと65歳以上は無料という事。ここに来るバス代も「敬老乗車証」だったから、余分な出費はない。思わず妻と二人で「ラッキー」と思う。
【 エントランス 】
【 『美の足音』の一連の挿絵 】
これらのスケッチを見ていると、時代の差をあまり感じなく、自分らが初めて行ったヨーロッパの印象そのものだった。
これ、イタリアやフランスのホテルで出された”朝食”そのものだと、思わず納得と同時に懐かしく思う。
サンミッシェル
街の姿も、自分らの見たそれとあまり変わらない。
展示場は、ホールを取り囲むように設けられたスロープにも絵がかかげられている。ぐるっと一周して本展示ホールに入る。
【 展覧ホール 】
ここには大きな絵が展示されている。
地下鉄のなかの描写は、座席が木製になっているくらいで、人々の表情はヨーロッパのそれだ。
地下鉄
解説のパンフレットによると、50時間以上かけて、プロペラ機でヨーロッパに渡ったと書いてあったが、今でも12時間は必要だ。そんな思いをしてまで、憧れのヨーロッパに渡ったという感動が、充分すぎるほど感じられた。
【 展覧会の絵 】
入り口の脇の売店で、何かを買って帰ろうと思ったが、適当なものがなかった。出来たら、あの『美の足音』とかいうスケッチ集が欲しかったのだが。
【 旧堂本印象邸 】
館を出て、次の行き先まで行くバスを乗るのには西大路まで出た方が便利だろうと、信号を1つ渡った所で横を見ると、バス通り(観光道路)に面して『旧堂本印象艇』の大きな表札の掛かった門があった。かつて何度も前を通ていたのに、それまで全然気が付いていなかった。
『堂本印象美術館』-公式サイト
(以上の絵画・スケッチの画像はすべて「堂本美術館公式サイト」から採らさせていただきました。)
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