【2015年4月9日】 TOHOシネマズ二条
「さだまさし」の曲に着想を得た映画という。監督は三池崇史で、この人の映画はあまり見ていない。
それにしても脚本と演出がよくない。年代シーンが前後するのだが、説明的で、意外な展開といったダイナミズムの効果が感じられない。こじ付け的なのだ。
題材はせっかく《国際的》で《現代的》な課題を含んでいるのに、もうひとつ迫力がない。ケニアまで行ってロケをしたのだが、中身は何とも《テレビドラマ》っぽいのだ。
真木よう子の方はともかく、現地で献身的に働く看護師役の石原さとみの方は、渋谷か六本木の街角からひょいとつまみあげて、ケニアの大草原に《スワップ》したような感じで、どうも違和感がある。
ここまで酷評したが、全体としてまたら悪くない映画だ。ゲームの世界に現をぬかし、世界と日本の置かれている現実を見ようとしない若者や、生活をするための仕事と日課に追われ、会社しか見えない人間や、今の日本が幸せと日常の行動範囲しか目に入らない《平和な人》には見てもらいたいシーンがたくさんある。
長崎・五島の役者ではなさそうな地元の人の演技は良かった。
公式サイトには、きれいな写真が沢山あるので、一度覗いてみる価値はあるかも。
『風に立つライオン』-公式サイト