【 2015年5月6日 】 京都シネマ
日本では、ゲイやレスビアンといった同性愛を扱った映画はなじみがあまりない。しかし、海外ではちょっと事情が違うようだ。
「ブロークバック・マウンティン」は、アメリカの大自然を背景に、カウボーイの二人がお互いに惹き合う関係になり、不思議な世界を描いていて興味深く見たが、今回の映画は、最近の時流に乗った、開放系のものだ。
内容的には、イギリス映画の【良き伝統】を引き継いでいて、「フルモンティ」「ブラス」「リトルダンサー」のシーンを連想する。
【1984年、サチャー政権下の炭鉱街での話】という設定は、『リトル・ダンサー』と同じである。『ブラス!』はそれより少し後の1990年代初頭となっている。『フルモンティー』の時代背景は定かではないが、不況にあえぐ鉄鋼街ーシェフィールドが舞台というから、同じような年代なのだろう。
炭鉱というと、日本では「三池炭鉱争議」のようにもう一時代前のように思われるが、イギリスではつい最近の出来事というか直近の話題になっている。日本よりずっと早く産業革命が始まり、資本主義の先進国であるイギリスにまだ石炭産業があるなんて、時代錯誤に陥ってしまいそうだが、そこは労働者意識の先進国でもある。日本ではとっくに無くなってしまったと思われるものが、いまでも光り輝いている。
史実を扱った映画で、本当にゲイの仲間が炭鉱のストライキを支援したという話だが、映画の内容は別にして、私はやはり、同性愛より異性の方に興味があるし、そちらのほうがいい。
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