この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

『同志社女子大学音楽科定期演奏会』-「悲愴」を奏でるレベルの高さに感激!

2012-12-13 21:46:17 | 音楽

     【2012年12月12日】  京都コンサートホール

 仕事が終わってから、ここ数年毎年のように貰う『招待券』を持って、歩いて10分の『京都コンサートホール』にむかう。

 職場に、同女の声楽科に通っていた後輩がおり、そのつてで毎年チケットを貰うのだ。同志社田辺キャンパスまでは遠いが、『京都コンサートホール』なら目と鼻の先だ。今回の演目がチャイコフスキーの第6番『悲愴』とあっては行かない手は無い。

 前半の『ミサ曲』の合唱の時は睡魔に襲われ、眠たくてしょうがなかったが(出演者のみなさん、ごめんなさい)、後半の『大学祝典序曲』が始まる頃は目が覚めて曲に集中する。
 『大学祝典序曲』といえば、かつて大学受験の頃、O社の『大学受験ラジオ講座』の冒頭にそれをアレンジしたものが流され、さんざん聞かされた曲だ。

 『悲愴』の演奏が始まる前に、指揮者がマイクを取った。コンサートで指揮者が話をするというのは極めて異例である。何をしゃべるのかと思ったら、『悲愴』の後に《アンコール》をするのは違和感があるので、先にやらせて欲しいという。
 それもそうだ。『悲愴』の第4楽章の消え入るような演奏の終わった後、すぐに気分をかえて「アンコール!」とはやし立てて催促するのは、作曲家の人生の最後が近い時期の心境に思いを寄せ、その音楽に耳を澄ませ、最後のかすかな音がいつ終わったか確かめながら、音が消え去った後も余韻に浸り切っている-その《静寂な雰囲気》をぶち壊すものだ。
 催促も無いのに先にアンコールをするというのもおかしな話だが、楽団員も「アンコール」の曲を相当練習したので、是非《先に演奏させて欲しい》という要望だった。
 
 粋な計らいに、合点し納得し、《アンコール》が先に演奏される。

 アンコールの『ワグナー』も素晴らしかったが、それ以上に『悲愴』の演奏は素晴らしかった。指揮者・現田茂夫さんの表現力豊かなアクションが楽団員の力を最大限に引き出しているように思える。女子大生だけでここまで出来るとは感激である。(一部、OBや職員の応援もあったにしても)

 《鳴りやまぬ拍手》という形容が大げさでもなく、本当にそれにふさわしい素晴らしい演奏だった。

 すっかりいい気分になって家路につく。あまりに気分がいいので《家に戻っての、作り置きの“鯖の南蛮漬け”の夕食》の予定をやめ、外食にしようとイタリアン・レストランを覗いたが、1軒は閉店直後で、もう一軒も内容が合わず、結局家に戻る。
 「コンサートの後に『鯖の南蛮漬け』の夕食なんて合わないんと違う!」と異議を申し立てたそのメニューと他に2、3品つくろい、遅めの夕食を、安物のワインを傾けながら結構いい気分で取った。

 幸せな気分に浸れた夜だった。




    
        【『同志社女子大学音楽科』のホームページより 】


  
    

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 12月9日(日)のつぶやき | トップ | 『ソハの地下水道』-ナチ支... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音楽」カテゴリの最新記事