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【 上河内岳と茶臼岳の中間地点の亀甲状土の草原 】
【 2015年9月21日 】
登山第3日目
5:25(朝焼けの写真撮影)-6:30聖平小屋出発-8:40岩頭(2561m地点)
-9:15南岳山頂-10:17上河内岳の肩到着-上河内岳頂上往復-11:00上河
内岳肩で昼食-(この間ガスの中)-12:20竹内門-12:55亀甲状土の盆地-
-13:40茶臼小屋の分岐-14:00茶臼小屋着
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昨夜は一体何時に寝たのだろうか。6時過ぎに個室の寝床に入り、やはりYさんと頭と足を逆にして横になり、しばらく地図を見たりで翌日の道のりを確認していたが、前日同様7時前には寝てしまったようだ。
「聖小屋」のトイレは小屋の本棟の外に出て、キャンプ地の横を通り、100m程離れた場所にある。夜中に起きて遠いトイレに通うのはつらかったが、楽しみもある。わざわざ、夜中に星空を見に起きることは敢えてしようとは思わないが、尿意をもよおして我慢が出来なければ、起きていかなければならない。小屋の玄関を出て真っ暗な道を進んで、ふと夜空を見上げると満天の星。天の川が頭上に覆いかぶさるように迫ってくる。都会にいては絶対に見られない夜空だ。
4時前に目が覚めしばらくあたりの様子をうかがいながら、4時半過ぎに起き上がる。朝食の時間まで多少時間があるから、外に出てみる。きれいな朝焼けだ。今日も天候に恵まれそうだ。
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【 聖平小屋からの朝焼け風景 】
食事から戻ると、みな出発が早い。私らは今日の行程が短いのでゆっくりしていたが、6時過ぎには大半が出発していって、小屋の中はがらんとしていた。
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【 早出の出発で空になった山小屋の2階の大部屋 】
荷物を整え、玄関の外に出ると「張り紙」がある。昨日噂で聞いていた「がけ崩れで通行止め」のその後の通知だ。やっぱり、本当だったのかと思うとともに、書いてあった「仮設道路で下山できます。」を見て一安心する。【下山はできるが入山はできない】ということで、前日より宿泊者が少なかったのはそのせいだったのかと思う。
もし、自分らの入山が1日遅れていたら、今回の山行をあきらめるか、「2時間近くの道のりを強いられる」かだったから、運が良かった。最初話を聞いたときは【帰りまでに復旧するか】【帰れなく閉じ込められたらどうしよう】か、不安がよぎったが、下山まであと4日あるから、何とかなるとは思ってはいたが。
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【 がけ崩れで「林道通行不能」を伝える張り紙 】
6:30、安心して、朝靄のかかった「聖平小屋」を出発。5日間で一番楽な1日だから、のんびり行こう、と。
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【 朝靄の聖平を行く 】
この道を歩くのは、初日から数えて4度目、往復2回の往き来になる。朝と夕と、それぞれ異なった表情を見せ、ガスがかかっては幻想的な雰囲気に包まれ、晴れてはすがすがしい気分にしてくれる。
分岐点を左にとり、上河内岳方面に進む。ここからしばらくは樹林帯の中の厳しい登りが続く。
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【 秋の空に映える『聖岳』】
高度を上げていくごとに木々の背も低くなって視界が開けてくると、背後の『聖岳』から『奥聖』の稜線が大きく広がって見えてくる。
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【 だいぶ高度を上げてきて『聖岳』の全容が 】
8:40、高度2383m地点の「岩頭」に到着。ここからの『聖岳』は堂々としている。陰で見なかった『赤石岳』も今日は姿を現している。
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【 右手を見ると昨日見えなかった『赤石岳』の姿 】
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【『赤石岳』望遠拡大写真 』
進行方向の右側はきれ落ちた岩肌が続くが、恐怖心はない。ほどなく、9:15、南岳頂上に到着。なんの変哲もない頂上だが、昨日に続き『富士山』が見える。写真を数枚撮って、すぐに出発する。
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【 『南岳』頂上標識 】
前方には、次の目標の『上河内岳』が独特の山容で迫っている。右側の溝のようなくぼみを登っていくのだ。
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【 前方には『上河内岳』の姿が 】
昨日の『聖岳』の往復の道と違って、ここは静かだ。めったに人に会わない。はじめの急登の樹林帯の中で1組に抜かれてから誰にも会っていない。と、後ろから人影が。
ここ最近になって、女性の姿=山ガールが目立つようになってきたが、単独行の若い女性だった。身なりを決め、軽やかな足取りでどんどん斜面を登って行くから、服装だけでなく経験もありそうだと思った。どんな動機で山に来ているのだろうと、ふと考える。「ありがとうございます。」と言って、追い抜いて行ったさわやかな横顔が印象的だった。
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【『上河内岳』の肩に到着 】
10:17分、『上河内岳の肩』に到着。ここから頂上までは往復しなければならない。ガスがかかって見通しが利かなかったが、時間もたっぷりあるし、そのうち晴れるだろうとの期待も含めて、ピストンすることに。
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【『上河内岳』頂上にて 】
10分近く待ったがとうとうガスは晴れなかった。少しの間、東の方向の山が見えただけである。どうもこのへんは雲の通り道になっているようだ。
10:50分、肩まで下りると別のグループが到着していた。今朝の早立ちで『聖岳』を往復した組に追いつかれてしまったのかもしれない。
時間は11時前であるが、昼食をとることにして、12時前、『肩』を出発。
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【『竹内門』の奇岩 】
『上河内岳』をどんどん下り、目印の『奇岩竹内門』のあたりをすぎると、ようやくガスが晴れてきて、目指す前方の山の姿が見えてくる。
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【『茶臼岳』(左)と『仁田岳』(中央)と『光岳』(右奥)】
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【『仁田岳』拡大 】 【『光岳』-拡大 』
『仁田岳』も『光岳』も今日の行動範囲外である。今日は、『茶臼岳』の手前の分岐点を少し下ったところにある『茶臼小屋』までで、もう登りも下りもない平坦な道が続くだけだから楽なものだ。
振り向けば『上河内岳』はやはり雲の中である。
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【 ガスがかかる『上河内岳』を振り返る 】
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【 湿原-亀甲状土の草地を望む-右奥に『仁田岳』 】
湿原のような『亀甲状土』の道をのんびり進んで行くと、まもなく分岐点に到着。正面にはあまり形のよくない『茶臼岳』。ここから『畑薙』方面に10分ほど下ったところに『茶臼小屋』がある。
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【 『茶臼小屋』-『畑薙』方面への分岐点 】
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【 3日間の行程 】
『茶臼小屋』は『聖平小屋』よりずっと空いていた。《通行止め》の影響もあるかもしれないが、もともとここまで来る人は『聖岳』を1泊2日くらいで往復する人よりずっと少ないのかもしれない。しかも、この辺の小屋はほとんどが明日で《小屋終い》である。
入口横には『小屋閉めにつき 飲料 大特価!』の張り紙。缶ビールなどは2本買えばすべて半額である。二人で2本買い分け合う。
(ちなみに翌日の宿泊地の『光小屋』ではいよいよ最終日なのに割引は一切なかったから、それを知っていたらここで多少荷物が増えたにしてもビールをもっと買っておくべきだったと後悔する。)
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【 山小屋営業最終日-大特価の張り紙 】 と 【『茶臼小屋』の受付コーナー 】
『茶臼小屋』のサービスはこれだけではなかった。夕食も《おまけ》がついた。コロッケとシュウマイも《食べ放題》である。写真にある「刺身」も追加ありだ。
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【 フレンドリーな雰囲気の食堂風景 】 と 【『茶臼小屋』の豪華夕食 】
翌日止まる『光小屋』の《女将さん》には何かとかわった噂があった。「50歳以下の《若者》には食事を提供してくれない。」とか、その話し方を含め辛口の評判が多かったから、ここでの厚遇が貴重に思えた。
【 4日目につづく 】
『2015年聖岳から光岳へ縦走・その4』-へジャンプ>
2015年9月聖岳から光岳へ縦走-その3
【 2015年9月21日 】
登山第3日目
5:25(朝焼けの写真撮影)-6:30聖平小屋出発-8:40岩頭(2561m地点)
-9:15南岳山頂-10:17上河内岳の肩到着-上河内岳頂上往復-11:00上河
内岳肩で昼食-(この間ガスの中)-12:20竹内門-12:55亀甲状土の盆地-
-13:40茶臼小屋の分岐-14:00茶臼小屋着
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昨夜は一体何時に寝たのだろうか。6時過ぎに個室の寝床に入り、やはりYさんと頭と足を逆にして横になり、しばらく地図を見たりで翌日の道のりを確認していたが、前日同様7時前には寝てしまったようだ。
「聖小屋」のトイレは小屋の本棟の外に出て、キャンプ地の横を通り、100m程離れた場所にある。夜中に起きて遠いトイレに通うのはつらかったが、楽しみもある。わざわざ、夜中に星空を見に起きることは敢えてしようとは思わないが、尿意をもよおして我慢が出来なければ、起きていかなければならない。小屋の玄関を出て真っ暗な道を進んで、ふと夜空を見上げると満天の星。天の川が頭上に覆いかぶさるように迫ってくる。都会にいては絶対に見られない夜空だ。
4時前に目が覚めしばらくあたりの様子をうかがいながら、4時半過ぎに起き上がる。朝食の時間まで多少時間があるから、外に出てみる。きれいな朝焼けだ。今日も天候に恵まれそうだ。
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【 聖平小屋からの朝焼け風景 】
食事から戻ると、みな出発が早い。私らは今日の行程が短いのでゆっくりしていたが、6時過ぎには大半が出発していって、小屋の中はがらんとしていた。
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【 早出の出発で空になった山小屋の2階の大部屋 】
荷物を整え、玄関の外に出ると「張り紙」がある。昨日噂で聞いていた「がけ崩れで通行止め」のその後の通知だ。やっぱり、本当だったのかと思うとともに、書いてあった「仮設道路で下山できます。」を見て一安心する。【下山はできるが入山はできない】ということで、前日より宿泊者が少なかったのはそのせいだったのかと思う。
もし、自分らの入山が1日遅れていたら、今回の山行をあきらめるか、「2時間近くの道のりを強いられる」かだったから、運が良かった。最初話を聞いたときは【帰りまでに復旧するか】【帰れなく閉じ込められたらどうしよう】か、不安がよぎったが、下山まであと4日あるから、何とかなるとは思ってはいたが。
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【 がけ崩れで「林道通行不能」を伝える張り紙 】
6:30、安心して、朝靄のかかった「聖平小屋」を出発。5日間で一番楽な1日だから、のんびり行こう、と。
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【 朝靄の聖平を行く 】
この道を歩くのは、初日から数えて4度目、往復2回の往き来になる。朝と夕と、それぞれ異なった表情を見せ、ガスがかかっては幻想的な雰囲気に包まれ、晴れてはすがすがしい気分にしてくれる。
分岐点を左にとり、上河内岳方面に進む。ここからしばらくは樹林帯の中の厳しい登りが続く。
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【 秋の空に映える『聖岳』】
高度を上げていくごとに木々の背も低くなって視界が開けてくると、背後の『聖岳』から『奥聖』の稜線が大きく広がって見えてくる。
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【 だいぶ高度を上げてきて『聖岳』の全容が 】
8:40、高度2383m地点の「岩頭」に到着。ここからの『聖岳』は堂々としている。陰で見なかった『赤石岳』も今日は姿を現している。
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【 右手を見ると昨日見えなかった『赤石岳』の姿 】
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【『赤石岳』望遠拡大写真 』
進行方向の右側はきれ落ちた岩肌が続くが、恐怖心はない。ほどなく、9:15、南岳頂上に到着。なんの変哲もない頂上だが、昨日に続き『富士山』が見える。写真を数枚撮って、すぐに出発する。
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【 『南岳』頂上標識 】
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前方には、次の目標の『上河内岳』が独特の山容で迫っている。右側の溝のようなくぼみを登っていくのだ。
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【 前方には『上河内岳』の姿が 】
昨日の『聖岳』の往復の道と違って、ここは静かだ。めったに人に会わない。はじめの急登の樹林帯の中で1組に抜かれてから誰にも会っていない。と、後ろから人影が。
ここ最近になって、女性の姿=山ガールが目立つようになってきたが、単独行の若い女性だった。身なりを決め、軽やかな足取りでどんどん斜面を登って行くから、服装だけでなく経験もありそうだと思った。どんな動機で山に来ているのだろうと、ふと考える。「ありがとうございます。」と言って、追い抜いて行ったさわやかな横顔が印象的だった。
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【『上河内岳』の肩に到着 】
10:17分、『上河内岳の肩』に到着。ここから頂上までは往復しなければならない。ガスがかかって見通しが利かなかったが、時間もたっぷりあるし、そのうち晴れるだろうとの期待も含めて、ピストンすることに。
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【『上河内岳』頂上にて 】
10分近く待ったがとうとうガスは晴れなかった。少しの間、東の方向の山が見えただけである。どうもこのへんは雲の通り道になっているようだ。
10:50分、肩まで下りると別のグループが到着していた。今朝の早立ちで『聖岳』を往復した組に追いつかれてしまったのかもしれない。
時間は11時前であるが、昼食をとることにして、12時前、『肩』を出発。
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【『竹内門』の奇岩 】
『上河内岳』をどんどん下り、目印の『奇岩竹内門』のあたりをすぎると、ようやくガスが晴れてきて、目指す前方の山の姿が見えてくる。
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【『茶臼岳』(左)と『仁田岳』(中央)と『光岳』(右奥)】
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【『仁田岳』拡大 】 【『光岳』-拡大 』
『仁田岳』も『光岳』も今日の行動範囲外である。今日は、『茶臼岳』の手前の分岐点を少し下ったところにある『茶臼小屋』までで、もう登りも下りもない平坦な道が続くだけだから楽なものだ。
振り向けば『上河内岳』はやはり雲の中である。
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【 ガスがかかる『上河内岳』を振り返る 】
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【 湿原-亀甲状土の草地を望む-右奥に『仁田岳』 】
湿原のような『亀甲状土』の道をのんびり進んで行くと、まもなく分岐点に到着。正面にはあまり形のよくない『茶臼岳』。ここから『畑薙』方面に10分ほど下ったところに『茶臼小屋』がある。
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【 『茶臼小屋』-『畑薙』方面への分岐点 】
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【 3日間の行程 】
『茶臼小屋』は『聖平小屋』よりずっと空いていた。《通行止め》の影響もあるかもしれないが、もともとここまで来る人は『聖岳』を1泊2日くらいで往復する人よりずっと少ないのかもしれない。しかも、この辺の小屋はほとんどが明日で《小屋終い》である。
入口横には『小屋閉めにつき 飲料 大特価!』の張り紙。缶ビールなどは2本買えばすべて半額である。二人で2本買い分け合う。
(ちなみに翌日の宿泊地の『光小屋』ではいよいよ最終日なのに割引は一切なかったから、それを知っていたらここで多少荷物が増えたにしてもビールをもっと買っておくべきだったと後悔する。)
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【 山小屋営業最終日-大特価の張り紙 】 と 【『茶臼小屋』の受付コーナー 】
『茶臼小屋』のサービスはこれだけではなかった。夕食も《おまけ》がついた。コロッケとシュウマイも《食べ放題》である。写真にある「刺身」も追加ありだ。
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【 フレンドリーな雰囲気の食堂風景 】 と 【『茶臼小屋』の豪華夕食 】
翌日止まる『光小屋』の《女将さん》には何かとかわった噂があった。「50歳以下の《若者》には食事を提供してくれない。」とか、その話し方を含め辛口の評判が多かったから、ここでの厚遇が貴重に思えた。
【 4日目につづく 】
『2015年聖岳から光岳へ縦走・その4』-へジャンプ>
2015年9月聖岳から光岳へ縦走-その3