【 2016年11月23日 】
昨日のニュースで、トランプ次期大統領が「TPPからアメリカが撤退する」と表明したことが報じられた。理由はともあれ、結構なことだ。
『TPP(環太平洋自由貿易協定』の本質は、アメリカを中心にする巨大グローバル企業が、世界中で《自由に》活動出来るようにし、世界の富を一極に集中するためのものだ。
日本の農業の壊滅的な破壊はおろか、食の安全基準もボロボロにされる。医療も健康保険制度も、アメリカの大企業の儲けにつながるように制度が壊され、貧乏人は医療や介護から突き放され、先進医療は金持ちだけが受けられるものとなる。
最も恐ろしいのは、自分の国の進むべき道筋を、自分らの意思で決められなくなることだ。
【ISDS条項】(国家と投資家間の紛争を調停する取り決め)は、少なくとも今までは「国家の主権」より「企業の利益」を優先補償するような内容のものだ。アメリカの「投資家」がよその国を訴えた件で、企業側が負けたケースがないのも、調停役が【「世界銀行」の支配下に置かれている現状】を見れば理解できる。
本来ならば、日本の国会で『TPP』を巡る問題点に関し充分な論議をして、日本から「こんなでたらめな条約には参加できない」と意思表示すべきであり、《ともかく承認してしまおう》という安倍首相の姿勢は大問題である。
いずれにしても、今回のトランプ氏の「TPP離脱発言」は、《怪我の功名》というか、【問題を先送りしてくれた】という安堵感を与えてくれた。
彼が、「アメリカの利益を第一にする」と言ったとき、何を基準にしているかよくわからないが、【回転ドア】に象徴される現代アメリカの【政治とカネの癒着の構造】からはみだした【アウトサイダー】だとしたら、悪い事ばかりでもないような気もする。
ついでに、『沖縄から米軍を引き上げる』と言ってくれたら、それもまた面白い話ではある。
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