【 2019年2月13日 】 京都出町座
「出町座」に初めて行ってきた。2階と地下のそれぞれに40余席しかないホールが1つずつあるだけの小さな映画館である。1階には、映画関連の書籍が並べてある本屋と喫茶のカウンター席などが所狭しと配置されている。京大や同志社、府立医大のキャンパスに近いとあって、やはり学生の雰囲気が館内に漂う。
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映画の方は、「バハールの涙」が俳優を使ったドラマに対し、こちらはナディア・ムラドさん自身を追ったドキュメンタリー映像である。
「バハールの涙」で見たように、クルド民族の多く住む地域のヤズディ教徒の村が襲われ、ナディアさんの家族も殺害され、自身は捉えられ性奴隷とされる。その後、ISから逃れ2018年のノーベル平和賞の受賞に至る経緯とその後の活動がつづられている。
その間、ジョージ・クルーニーの奥さんのアマル・クルニーが関与していることを知って「そんなこともあるんだ」とその意外性(というか、日本のセレブといわれる人との存在感の違い)に驚いたりもしたが、ナディアは対照的にごく普通の庶民だったのだ。
それが、「自分は無数の人々の声になる」といった時(そう決意した時)から、彼女の人生は大きく変わってしまった。
映画のチラシの写真から受ける大人びた印象と違って、ナディア・ムラドは、夢多い普通の少女-ほんとに小さな存在だった。マララさんの時も思ったが、普通に生活をしている何でもない少女がある日突然不幸な出来事に会い、人生の進み方を大きく変えられる。精一杯の気持ちを打ち明けると、静かに平和に暮らしたいという思いとは別に、国連で取り上げられ「平和賞」も授与される。もう自分だけのささやかな生活はない。
ドキュメンタリーを見ていて、もう一つ感じたのは、彼女を支えているムラド・イスマイルという男性の存在である。彼がいなかったらナディアもあんなに強くなれなかったかもしれない。彼こそ英雄である。
「子供が殺され、少女がレイプされている今、声を挙げなかったら、いつ声を挙げるのか!」
いたいけない少女を戦闘の最前線に立たさねば、世界が変らないような、そんな世の中にしてはいけない。
-映画の最後の言葉が鋭く胸に突き刺さる。
【 2月17日 】 それに比べて、なんと情けない日本の現状----
今日の新聞に、【安倍首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦した】という記事が載っていた。
アホかいな!。バカも休み休みにしてほしい、悪い冗談にもホドがある。
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