ずっと以前、『博士の愛した数式』の映画を見た。「本屋大賞」をとったという原作の文庫本も購入して読んだ。なかなか面白い。
それより興味を持ったのは、この原作者はどんな人かと言うことだった。
《ルート16》が《4》になるのは分かるにしても、《完全数》やら《フェルマーの最終定理》やら《オイラーの公式》まで飛び出してしまう小説を書く《女子》というのはどんな人かと、ずっと不思議に思っていいた。しかも、《熱心な》阪神タイガース・ファンのようだし。
【 オイラーの公式 】
図書館の書架をウロウロ物色していたら、その《小川洋子》の本があった。面白そうなので借りて読んでみたら、面白い。読みかけの他の本を横において、1日半で読んでしまった。
第1章から第7章まで、7人の個性的な科学者が登場してその専門分野の話をするのだが、素人にも分かりやすく解説してくれる。科学の中身の話も興味深いのだが、それに取り組む《人間》の姿が魅力的だ。それと、小川洋子の距離感が良い。全く音痴という訳でもなく、知ったかぶりをする訳でもない。それでいて、それぞれの分野の《奥深い話》を分かりやすく引き出してくれる。
小川洋子がどんな経歴を持っているのかと「おくづけ」を見たら、『早稲田大学第一文学部卒』とあった。やはり『文学部』で、理学部や数学科ではなかった。