【 2015年9月13日 】 TOHOシネマズ二条
最近、《はずれ》の多かった映画で《久々のヒット!》だ。
『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』への巡礼(サンジャックの道)の映画はたびたび登場して、うち何本かは見たが、PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)はこの映画で初めて知った。
アメリカは新大陸だから、「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」のようなキリスト教の聖地もないければ、「メッカ」や「エルサレム」のような他宗教の歴史的な聖地もない。だから、それに代わるような《苦難の道》を設定したのかもしれない。
「人は何かに挑戦して、自己を見出す努力をする」というのは、やはり全世界共通の行動なのだろうかと思った。
で、この映画の原作者で主人公の女性シェリル・ストレードは、メキシコからカナダに向かうPCTへの旅に出る。それが、どう見ても無謀なのだ。日本の山では《考えられないこともない》女性の単独行がアメリカの荒涼とした大地ではどうなのか心配になってしまう。
それにあのバカみたいな大量の荷物。どうやって背負っていくのかと思ってしまう。
余計な心配は別にして、スクリーンに映し出される景色は雄大だ。
PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)は宗教色がないが、やはり挑戦する人々を魅了する何かがあるようだ。
映画を見ていると悟りを開くのとは別に、そんな大自然の中に飛び込みたくもなる。
修行や巡礼といえば、日本にも紀伊半島の「熊野古道」「大峰奥駈道」や「四国八十八か所」の霊場巡りのお遍路などがあるが、人は人生の曲がり角に立つと、やはりそういうところに出かけたくなるものなのだろうか。
この映画を見た後、自身が出かける「聖岳から光岳」への縦走なんて、ちっぽけに思えてしまう。
『サンティアゴ・デ・コンポステーラ』
『パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)』
『わたしに会うまでの1600km』-公式サイト
この映画の「公式サイト」はかなり充実していて、それを見るだけでも楽しいです。