【2014年9月11日】 京都みなみ会館
『サンダンス映画祭』で発表された、アメリカでの転落劇の実際の映像だ。
【タイムシェアをする共同所有の住宅】の販売で一代をなした夫・デビット・シーゲルと、元ミセス・フロリダの妻ジャッキー・シーゲルは、フランスの『ベルサイユ宮殿』に《匹敵》するようなアメリカ史上最大の邸宅の建設に着手するが、工事が6割ほど進んだときに、激震が走る。『リーマン・ショック』である。
それまでしていた《優雅な生活》は一変する。邸宅はもちろん、自宅で《ミス・フロリダを集めて開いていたパーティー》はできないし、所有していた自家用ジェット機も手放す。
同じような《低所得者向けの住宅販売》に絡んだ『サブプライム・ローン』の破綻が招いた《しわ寄せ》が、自分の所に帰ってきたのは皮肉というしかないが、ともかく【銀行は弱いものの味方にならない】。
【失意のどん底】一色と思いきや、転落しても《負けていない》というか、逆境をてこにうまく《切り回している》ようにも見えるところが、すごい。
制作過程で、『アメリカン・ドリーム』の実例を紹介する《成功物語》が、途中から一転、《悲劇》か《笑いモノの喜劇》かに変わってしまったという、ただそれでも《笑って済ますことができない》何かを感じさせる、風変わりなドキュメンタリー映画だ。
『クウィーン・オブ・ベルサイユ』-公式サイト
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