この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「ナイロビの蜂」-恋愛映画か社会派映画か

2006-06-01 23:39:41 | 最近見た映画
 最初の出会いが衝撃的で印象的でその先の物語を暗示していた。
イギリス外交官のクエイルは講演会場の席上イギリス外交の正当性を上司に代わって代弁する。その席に参加していた女性活動家のテッサはそのまやかしに食い下がる。周囲のものが退席する中、二人が残り、なおもも食い下がるテッサをなだめようとするクエイル。その情熱に押され、二人は離れられない仲になる。

 妻の突然の死が、クエイルの状況を一変させた。テッサの人生に干渉しないという消極性が妻を死に至らしめた。
 テッサは援助活動をする中で、製薬資本が形ばかりの援助を隠れ蓑に巨大な利益を追求するための不正を-新薬開発のための治検・人体実験を-かぎつける。地元の救援活動を共にする医者と一緒に、鍵を握る人間の居る地に2日後にかえると約束して旅立つが、その地で何者かに虐殺される。

 妻の死までは、妻の行動が理解できなかった。そこから、クエイルの行動が始まる。そして秘密の鍵を握る手紙と文書を手にする。

 最後が圧巻だ。
 
「君の秘密がわかったよ。君のことが理解できた。家に帰るよ、君のもとに。」

 断末魔の使いが身に忍び寄るのを知りつつ、逃げずに自分から妻の元に返ろうとする決意!

 一方、ロンドンの追悼会場では、悪事を暴露するメッセージが読み上げられる。

 映像も素晴らしかった。抽象的な言葉でなく、今のアフリカ・ケニアの現実を観衆にまのあたりに示した。一方の富とここにある貧困との落差があらゆる不正を生む温床であると。

 音楽も素晴らしかったので、思わずサントラのCDをかってしまった。後で見てみたら、なんと「talk to her」音楽担当のアルベルト・イグレシアスではないか。「talk to her」の音楽も素晴らしかったが、こちらも最高だった。

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