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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

北イタリア個人旅行-フィレンツェとベネツィアを訪ねる(その8)・第6日目午前

2012-01-08 12:00:40 | 山・旅行


          【 2011年1月24日(月)】  旅行6日目

 いよいよヴェネツィアの3日目である。ここのホテルにも慣れてきた。昨日は、サンマルコ広場から始まって、『アカデミア美術館』から向こう岸の『サルーテ教会』まで足を伸ばしてきた。
 今日は、リアルト橋を渡って島の北西側を回ってみようと思う。それと『カ・ドーロ』と『サン・バルバナ広場』は押さえておかねばならないところだ。


 まずは、ホテルの北側にある『フォルモーザ教会』の横を通って『アックア・アルタ書店』を目指す《アックア・アルタ》というのはヴェネツィアを襲う大潮で、ひどいときはサンマルコ広場も《水没》するそうである。で、この店はそれに備えて?、店内に本物のゴンドラまで置いてあるという名物書店である。
 いざ店を覗いてみると、ガイドブックに載っていたのより若干老けた感じだが、同じ人物が本の中にうずくまって座っていた。


            【 アックア・アルタ書店 】


 「チャオ」と挨拶をすると気軽に話しかけてくる。詳しい話はできないから笑顔で受け答えをしていると、古い昔のヴェネツィアの写真を見せたり、変わった絵葉書を見たりで、朝も早い時間で他の客もいなかったことからサービスがいい。
 本を買うつもりもなかったので、お薦めの絵葉書を数点かって店を出る。

 地図とガイドブックを頼りに曲がりくねった細い道を北に向かう。

 通路を抜けると、いきなり大きな塔を持った教会の横に出てきた。『パオロ教会』である。歩を進めると広場に出る手前に騎馬像がある。『コッレオーリ騎馬像』だ。
 広場の前に回りこみファザードを見上げる。狭い通路の先にこんな大きな教会があるのは驚きだ。中に入ってみることにする。思った以上に広い。ローマやフィレンツェの教会と違って観光客などほとんど居ない教会内部はシーンと静まりかえり、これが本来の教会の姿かと思う。

 広場の前は運河になっている。さまざまな船が行きかうが、少し様子の違う船が接岸した。何をするのかと見たいたら、ごみの収集である。なるほどゴミの収集車は車でなく、船なのだ。小さな備え付けのクレーンで車のついたガーゴごと降ろし、別のカーゴを乗せている。ガーゴは広場を転がして所定の位置に据えるのだろ。

 運河や水路が網の目のように町中に張りめぐまされているフィレンツェでは、それをまたぐ随所にある橋で水平な道が分断されているから、車はおろかバイクも自転車も使いものにならない。車いすも当然使えないから、身体に障害のある人はどうしているのかと考えてしまう。
 大きな荷物はどうしているのかといったら、他の場所見たが、一輪の手押し車を上手に操作して段のある橋を上り下りしていた。もっと大きな荷は祖木ほどの船のような貨物船で運んでいるのだろか。

 橋を渡り振り返って見ると、少しくすんだ色の『パオロ教会』のファザードと橋のたもとにあるオステリア(居酒屋風レストラン)の『アル・ポンテ』の壁の赤色のコントラスがきれいだ。

 この『アル・ポンテ』も立ち寄って見たい店のリストに挙げていたが、ワインを飲むには早い時間だし(地元の人は時間に関係なくのんでいるようだが)朝食間もないのでお腹もすいていないので、通り過ぎることにした。
 

                                  
                                           【 『パオロ教会』のファザードと『アル・ポンテ』 】



 『~ミラコロ教会』はファザードの上が半円形のかわいらしい宝石箱のような小さな教会である。入り口は水路を渡り回り込んだややこしい所にある。中も外観と同じように、こじんまりしたきれいな教会だ。



 
              【 ミラコロ教会 】


 『~ミラコロ教会』を出てから『リアルト橋』に向かって急ぐ。この後、リアルト橋周辺の観光をしてから食事をし、午後からは道を『アカデミア橋』の方向に引き返し、キャサリン・ヘップバーンの映画『旅情』の舞台に回る予定だ。ベネツィアに行ってみようと思い立ったのは、この『旅情』の影響が強くあったのかと思う。だから、そこに行かないわけにはいかない。

 途中、どこかで見たような場所に出合った。『恋に落ちたシェークスピア』か『宮廷画家「ゴヤ」は観た』かそれとも別の映画か、思い出せない。
確か、こんなアーチの回廊のような通路が水路際にあって、そこを青年が先を急ぐように走る姿が浮かぶのだが。


                            
                                   【 小運河と船着き場 】


 ヴェネツアは目に入ってくるどの光景も、街角を曲がったどの場面をとっても《絵》になる。でも、どの光景も同じように見える。そして何が足りないかと考えてみると、木がないのだ。土から生えている植物や木々の緑が、その風景の中にないのだ。そう思って、その後木の緑を探して歩いたが、ほんとに一部しかない。木らしい木を見たのは、サンマルコ運河沿いの海岸通りと、この後ベンチに腰掛け昼食代わのパンをかじった名前を忘れた『広場』くらいだ。
 そこにあるのは漆喰の白色と煉瓦の微妙に違う土壁色と、水路の不思議な緑がかった鼠色のくみあわせがあるだけなのだ。それでもやっぱり絵になるから、角を曲がるたびに立ち止まってはシャッターを切ったり、ビデオを取りだし撮影をするものだから、かたわらで妻はあとの予定を考えて『早く行こうよ』と先をせかせる。予定が日没で《尻切れトンボ》になることがよくあるから、ごもっともなのであるが。


 
            【 運河の風景 】


 『マリブラン劇場』への脇道に入り、寄り道をしてからようやく『リアルト橋』にたどり着く。



                                               
                                                                          【 リアルト橋 】


 フィレンツェの『ベッキオ橋』とはまた趣の変わった橋だ。橋の上のいろいろな店が並んでいるのは同じだが、こちらはやはり階段状に中央が盛り上がった橋である。
 


              
                          【 リアルト橋から 】

 《S字状》に大きくくねる『カナル・グランデ』(大運河)のほぼ中央の位置にあるこの橋の上からは、大きくカーブした水路を様々な船が頻繁に行き交う様子が見られる。



                                                   
                                                             【 リアルト橋から大運河の眺め 】


 
 『リアルト橋』周辺は『サンマルコ広場』周辺と共にヴェネツィアの観光スポットの集まる名所である。

 今回の旅行で、ガイドブックを2冊買った。1冊は一般的な解説の『地球の歩き方』のフィレンツェ・ベネツィア中心のイタリア北部版。もう一冊は、同じ『地球の歩き方』のワインを飲み歩くための『カフェとバーカロ』案内だけに特化したガイドブックである。
 だから、観光名所と併せて、どうしてのその本に載っている店の1、2軒は訪ねて、美味しいワインと料理を味わってみたかった。
 その店の幾つかが、ここリアルト橋を渡ったところに集中している。

 『カ・ドーロ』に向かう前に『リアルト橋』周辺をチェックしておこうと思う。


                                                
                                          【 せむし男の像 】


 橋の上の階段を下り、まだ午前中にもかかわらず、人でひしめき合う通りを『サン・ジャコモ・リアルト教会』の方向に向かう。通路の両側にも庭のような広場にも露天のテントが多数並ぶ。
 最初に出合ったのが、教会の前の広場の橋にある『セムシ男の像』だ。別にどうということもないが、ここにきた証ということでシャッターを切る。

 迷路のような通路をあっちに行ったりこっちに来たり人並にもまれながら付近を探索する。香辛料やらをたくさん並べた由緒ありそうな店を覗く。様々なこしょう類が置いてあり、量り売りもしている。東方貿易で繁栄した頃のヴェネツィアのにおいがする。


 
                
                           【 居酒屋『アッラルコ』 】

 

 『アッラルコ』の前に来た。迷ったが、入るのはやめた。もう一軒のの店『サクロ・エ・プロファーノ』を探す。昔の横浜の『黄金町』のガード下を思い出す一角に店はあった。意外と狭い空間でこじんまりとやっている。店にはいると写真の店主と男が一人。何か注文しようと思ったら、「まだ、開店前だ」という。仕方なく店を出る。




              【 橋のたもとのカフェ 】


                                               


 こういう旅は、いつもトイレに困る。日本のようにそこかしこにトイレがない。仕方なく、運河沿いのテーブルについてコーヒーを飲むことにする。ホテルの支配人のようなかしこまった服を着た恰幅の良い男性が注文を取りに来る。1杯が5ユーロだから結構な値段だ。
 すぐに立つのはもったいないので、ゴンドラのある景色をしばし楽しむ。




              【 ゴンドラ溜まり 】


 一服ついて、『カ・ドーロ』に向かう。
  
                                                                 【 つづく-その8(最終回)にジャンプ 】


『北イタリア旅行6日目・ヴェネツィア』





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