【『モンサント』 マリー=モニク・ロバン著 「作品社」 2015年1月 刊行 】
フランス人は【分厚い本】を書くのが得意だ。先日もピケティの『21世紀の資本』を読みかけたが、あまりのボリュームの厚さに辟易して、放り投げている。しかし、今回の本はそのボリュームもさることながら、内容に圧倒されて読み進んでいる。
以前、日本人の著書で『食の戦争』(鈴木宣弘著、文春文庫、2013年刊)というのを読んだ。『アメリカの企業が開発した「遺伝子組み換え作物」が在来作物を駆逐し、その多国籍企業の【種子】が「世界の食」をコントロールする。』というグローバル企業の狡猾で無謀な戦略を明らかにした内容で、内容に驚くと同時に、一気に読んでしまったが、その中心にいた企業が『モンサント』で、その名前は強く記憶に焼き付けれていた。
この『食の戦争』では、【戦略物資】としての《食料》にしか焦点が当てられていなかったが、今回の『モンサント』を読み始めて、さらに驚いた。
なんとこの企業は、かつて日本でも公害物質として世間をを騒がせた【PCB】や、ベトナム戦争で森林を消滅させるため大量に撒かれ、その後現在までも深刻な問題を残している「枯葉剤」の主要成分である猛毒の【ダイオキシン】を生産していた中心企業だったのである。
かつての《公害企業》が、最新科学技術の衣を着て世界の食料を支配しようとしているとは驚きである。
本のカバーの裏表紙に印刷してある、上の《モンサントの7つの大罪》を見れば、どんな内容か想像がつくが、やはり本文を読んだほうが、なんといってもリアルであるし説得力もある。
本を全部読んでからこのブログの記事を書こうかとも思ったが、やはり早い方がいい。
例のように、内容を紹介するために《目次》の項目を以下にピックアップする。
〔はじめに〕 モンサントとは何か? (P11)
第Ⅰ部 産業史上、最悪の公害企業
第1章 PCB-いかに地球全体が侵されていったか? (P-22)
第2章 ダイオキシン(1)-ペンタゴンとモンサントの共謀 (P-57)
第3章 ダイオキシン(2)-情報操作と贈収賄 (P-84)
第4章 ラウンドアップ-雑草も消費者も“一網打尽”の洗脳作戦 (P-115)
第5章 牛成長ホルモン問題(1)-手なづけられた食品医薬品局 (P-143)
第6章 牛成長ホルモン問題(2)-反対者を黙らせるための策略 (P-172)
第Ⅱ部 遺伝子組み換え作物-アグリビジネス史上、最大の陰謀
第7章 GMOの発明 (P-204)
第8章 御用学者とFDAの規制の実態 (P-240)
第9章 モンサントの光と影-1995〜99年 (P-276)
第10章 生物特許という武器 (P-311)
第11章 遺伝子組み換え小麦-北アメリカでのモンサントの敗北 (P-348)
第Ⅲ部 途上国を襲うモンサント
第12章 生物多様性を破壊するGMO-メキシコ (P372)
第13章 「罠」にはめられたアルゼンチン (P-391)
第14章 農民を自殺に導くGMO綿花-インド (P-441)
第15章 いかに多国籍企業は、世界の食料を支配するのか? (P-465)
〔おわりに〕 「張り子の虎」の巨大企業 (P-481)
〔新版への補論〕 本書とドキュメンタリー映画への世界的反響について
-「着実に持続する成功」
〔日本語版解説〕 モンサントのGMO作物と日本 遺伝子組み換え情報室 河田昌東
解説、注釈を加えると550ページを超える大作である。しかし、目次に挙げた1つ1つの章は、出来の悪い《推理小説》や《サスペンス・ドラマ》よりずっと面白く、紙面に引きずり込まれてしまう。往き帰りの電車の中で読む作業はしんどいが、12日間で第9章を読み終えた。
全部を読み終えて、時間とエネルギーがあったら、つづきを書くことにしよう。
『食の戦争』-マイブログ記事にジャンプ
『世界が食べられなくなる日』-マイブログ記事にジャンプ
『モンサントの不自然な食べ物』-公式サイト
フランス人は【分厚い本】を書くのが得意だ。先日もピケティの『21世紀の資本』を読みかけたが、あまりのボリュームの厚さに辟易して、放り投げている。しかし、今回の本はそのボリュームもさることながら、内容に圧倒されて読み進んでいる。
以前、日本人の著書で『食の戦争』(鈴木宣弘著、文春文庫、2013年刊)というのを読んだ。『アメリカの企業が開発した「遺伝子組み換え作物」が在来作物を駆逐し、その多国籍企業の【種子】が「世界の食」をコントロールする。』というグローバル企業の狡猾で無謀な戦略を明らかにした内容で、内容に驚くと同時に、一気に読んでしまったが、その中心にいた企業が『モンサント』で、その名前は強く記憶に焼き付けれていた。
この『食の戦争』では、【戦略物資】としての《食料》にしか焦点が当てられていなかったが、今回の『モンサント』を読み始めて、さらに驚いた。
なんとこの企業は、かつて日本でも公害物質として世間をを騒がせた【PCB】や、ベトナム戦争で森林を消滅させるため大量に撒かれ、その後現在までも深刻な問題を残している「枯葉剤」の主要成分である猛毒の【ダイオキシン】を生産していた中心企業だったのである。
かつての《公害企業》が、最新科学技術の衣を着て世界の食料を支配しようとしているとは驚きである。
本のカバーの裏表紙に印刷してある、上の《モンサントの7つの大罪》を見れば、どんな内容か想像がつくが、やはり本文を読んだほうが、なんといってもリアルであるし説得力もある。
本を全部読んでからこのブログの記事を書こうかとも思ったが、やはり早い方がいい。
例のように、内容を紹介するために《目次》の項目を以下にピックアップする。
〔はじめに〕 モンサントとは何か? (P11)
第Ⅰ部 産業史上、最悪の公害企業
第1章 PCB-いかに地球全体が侵されていったか? (P-22)
第2章 ダイオキシン(1)-ペンタゴンとモンサントの共謀 (P-57)
第3章 ダイオキシン(2)-情報操作と贈収賄 (P-84)
第4章 ラウンドアップ-雑草も消費者も“一網打尽”の洗脳作戦 (P-115)
第5章 牛成長ホルモン問題(1)-手なづけられた食品医薬品局 (P-143)
第6章 牛成長ホルモン問題(2)-反対者を黙らせるための策略 (P-172)
第Ⅱ部 遺伝子組み換え作物-アグリビジネス史上、最大の陰謀
第7章 GMOの発明 (P-204)
第8章 御用学者とFDAの規制の実態 (P-240)
第9章 モンサントの光と影-1995〜99年 (P-276)
第10章 生物特許という武器 (P-311)
第11章 遺伝子組み換え小麦-北アメリカでのモンサントの敗北 (P-348)
第Ⅲ部 途上国を襲うモンサント
第12章 生物多様性を破壊するGMO-メキシコ (P372)
第13章 「罠」にはめられたアルゼンチン (P-391)
第14章 農民を自殺に導くGMO綿花-インド (P-441)
第15章 いかに多国籍企業は、世界の食料を支配するのか? (P-465)
〔おわりに〕 「張り子の虎」の巨大企業 (P-481)
〔新版への補論〕 本書とドキュメンタリー映画への世界的反響について
-「着実に持続する成功」
〔日本語版解説〕 モンサントのGMO作物と日本 遺伝子組み換え情報室 河田昌東
解説、注釈を加えると550ページを超える大作である。しかし、目次に挙げた1つ1つの章は、出来の悪い《推理小説》や《サスペンス・ドラマ》よりずっと面白く、紙面に引きずり込まれてしまう。往き帰りの電車の中で読む作業はしんどいが、12日間で第9章を読み終えた。
全部を読み終えて、時間とエネルギーがあったら、つづきを書くことにしよう。
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『世界が食べられなくなる日』-マイブログ記事にジャンプ
『モンサントの不自然な食べ物』-公式サイト