令和5年3月22日(水)
種蒔く : 種下し
苗代に籾種を蒔くこと。
春彼岸の頃に、塩水または薬水で種選びをした籾を袋に入れて
催芽のために種井に1週間から十日ほど浸す。
その種を更に比重選(水に浸して浮いた軽い籾を取り除く)し
た籾を陰干しにして水を切り、やや湿りが残った籾を苗代田に
蒔いていく。
現在では苗代に代って「育苗箱」への種蒔きが殆どである。
種蒔きの時期は、過っては八十八夜が目安であったが現在では、
3月中旬から5月中旬と幅が在る。(種下しも同じ)
穀類や疏菜(青菜)等の種を蒔くことは、「物種蒔く」といい
草花の種を蒔くことを、「花種蒔く」という。
地方では種蒔きの祝いをするところも在り、種蒔きの済んだ田
の水口に田の神を宿す「幣」(ぬさ:紙や布で作り神に祈り、
お祓いをする時に捧げるもの)を立てる儀式を行う。
この地方では、伊勢神宮の神田で毎年この神事が行われている。
農家では収穫の時を迎えるまでは、まさに「人事を尽くし天命
を待つ」のだが、それだけに「種蒔きの日」は今も「物忌み」
(或る期間、飲食や行為を慎み、身体を浄め、不浄を避ける)
をする風習が残る地域もあるようだ、、、、、、。
今日の1句
懇ろに一粒一粒種を蒔く ヤギ爺