こわもておやじの荒井君が「『きみすい』はいい!浜辺美波ちゃんが可愛くて可愛くて」なんていうので、少しだけ興味を持った。
「猟奇的な標題だからなんだかなぁ」と言ったら、今度は優男の佐々木が「そこがポイントなんですよ!そのギャップが!!」ってやたらと薦める。
では映画の前に本を読んでみよう。
双葉社ジュニア文庫 君の膵臓をたべたい | |
住野よる | |
双葉社 |
読み始めたら甘い 展開も登場人物の性格もセリフも全てが甘い
引きこもり男子の夢物語だなこりゃ(ちなみに引きこもり女子の夢物語は有川浩の「植物図鑑」)。
主人公である「僕」が病院で偶然拾った1冊の「共病文庫」というタイトルの文庫本。それは「僕」のクラスメイトである山内桜良 (やまうち さくら) が綴っていた、秘密の日記帳であり、彼女の余命が膵臓の病気により、もう長くはないことが記されていた。「僕」はその本の中身を興味本位で覗いたことにより、身内以外で唯一桜良の病気を知る人物となる。(Wikipediaより)
後半は引きこもり男子が明るい性格の女子の影響により、少しずつ変わっていく。
終盤にはついに人を愛することを決意し、周りの人間と関わるようになる。
んー、なかなかいいんじぁね。
彼女の死は予想に反したものとなるが、それがまた彼を変えるきっかけになったんだろう。
中高生にはもちろんだろうが、いい年こいた私のようなおやじもときめくわ。
読売新聞の編集手帳を書いている竹内政明さんは、歩道に散り敷いた桜の花びらを踏んで通れないそうだ。
桜の花は満開になったと思ったらすぐに散ってしまう。夭折した命を見るようだという。
花びらには小さな切れ込みがあってそれがまた哀れを誘う。
「桜良」という名にはそんないたいたしさが漂う。
目からあふれた水分はこの時期、花粉症のせいにできるからいいな。花粉症だって認めてないけど。
今度は映画を観てみよう。
(ちなみに「植物図鑑」も私は大好きです。)