日々改善

今日の問題を明日に残さない!問題解決を図って行く様をリアルに描写していきます。経営コンサルの視点で物事を見ていきます。

投資と考える経営

2025-01-07 | つれづれ
経営を「投資」と考えた場合、何となくすっきりした感じが有ったのでご紹介します。

経営者である以上、日々さまざまな意思決定を求められます。
新しい事業を立ち上げるか、
既存事業の拡大に注力するか、
はたまた撤退するか。

これらの判断を「投資目線」で見ると、自分が取るべきアクションがよりクリアになります。

複数のメイン事業と派生事業のバランス
企業は複数のメイン事業をしっかりと確立し、それを軸に派生事業へと挑戦し続けることが望ましいと考えられています。以下の3つのポイントが重要です。
  1. 大儲けできる分野の選定
    • 利益率が高く、市場ニーズが今後も継続して拡大する分野を指します。
    • 例えば、ITサービス分野や高齢化対策関連ビジネスなど、時代の流れで需要が増している領域があります。
    • ある調査(中小企業庁「2019年度中小企業実態調査」)によれば、IT関連の新規事業を始めた中小企業の約60%が2年以内に黒字化に成功しており、高い収益ポテンシャルがあることがうかがえます。
  2. 安定する分野の継続
    • 定番商品や日常的な需要のあるサービスなど、一見華やかではないものの安定したリターンが得られる事業です。
    • スーパーマーケットやコンビニなど、景気に左右されにくい消耗品販売や生活必需品関連は、企業のキャッシュフローを支えてくれます。
    • 安定事業を保有することで、リスクの高い新規事業へ投資する「余力」を生み出すことが可能になります。
  3. 衰退する分野・撤退する分野の見極め
    • 技術革新や消費者嗜好の変化によって、市場規模が縮小している分野や将来性が低下している事業からの撤退を早期に検討する必要があります。
    • 例えば、かつて盛り上がった携帯電話向けのコンテンツビジネス(ガラケー向けサービスなど)でも、スマートフォンの登場により需要が激減し、撤退を余儀なくされた企業が多数存在します。
    • “損切り”が遅れると、リソースが無駄に浪費されてしまうばかりか、経営全体を圧迫する原因となります。
複数事業をバランスよくコントロールすることで、企業全体の安定感が高まると同時に、新たなチャンスや市場の変化にも素早く対応できる余裕が生まれます。

資金的余裕があるなら「少額多品種」投資
資金的な余裕がある企業は、そのリソースを有効活用する手段として「少額多品種」投資を検討してみましょう。「少額多品種」投資とは、多角的に小さな金額を複数の事業・プロジェクトに投じ、成功が見込めるものに的を絞って拡大させる手法です。
  1. リスク分散効果
    • 投資先を分散させることで、一つの失敗が企業全体に与えるダメージを最小化できます。
    • 例として、新製品の試作品開発プロジェクトを3つ同時に走らせ、実際に市場調査を行ったうえで一番手応えのあったプロジェクトに集中的に投資する、というやり方があります。
  2. トライ&エラーの促進
    • 少額スタートであれば、失敗しても損失が比較的少なく、学びを得て次のチャレンジにすぐ活かすことができます。
    • ある調査によれば、新規事業の成功確率は一般的に10~20%程度と言われます。複数の小さな投資を並行して進めることで、この確率を高めるチャンスが増えます。
  3. 本格投資へのステップアップ
    • 小さい規模で試した結果、マーケットの反応が良いと判明したら、そこに追加投資をすることでリターンを拡大できます。
    • “当たった”案件には大胆に投資して大きく伸ばし、“外れた”案件は早期撤退する。これを繰り返すことで、勝率を高め、失敗コストを抑えられます。
投資目線をもつことで得られるメリット
  1. 意思決定のスピードが向上
    • 「投資」として考えると、ROI(Return on Investment)や投下資本回収期間などの指標で素早くGO/NO GOを判断できます。
    • 例えば、「この事業のROIが10%を下回ったら撤退する」「6ヶ月の試験運用で目標数値を達成できなければ事業化を見送る」など、あらかじめ明確な基準を設けられます。
  2. 全社的なリスク管理がしやすい
    • バランスシートにおけるキャッシュフローの管理や、資金繰りの計画を立てやすくなります。
    • 「少額多品種」への投資を組み合わせると、特定事業への過剰投資による資金ショートのリスクを減らせます。
  3. 企業の成長サイクルが持続しやすい
    • 成功した事業からの利益を、また別の新規事業に投じるという好循環が生まれます。
    • たとえば、1つの事業が前年比20%の成長を見せれば、次の年にはさらに新事業を2つ立ち上げる、といったアグレッシブな展開が可能になります。
見落としがちなポイント:組織体制と人材育成
投資の考え方を取り入れる際、ヒト(人材)の投資も忘れてはなりません。
  • 新規事業に挑むチームの構成やスキルセットを見直すことで、投資効率も大きく変わります。
  • 社内の教育制度や社外研修の導入に積極的に投資し、社員の能力を高めることで、事業ポートフォリオ全体の質が上がります。
  • あるIT企業では、年間予算の10%を教育・研修費に割り当てることで、社員スキルの底上げに成功し、結果的に新規事業立ち上げの成功率が2倍に高まったという事例もあります。
最後に
「投資と考える経営」の本質は、“限りある資源(ヒト・モノ・カネ)をどう使って成果を得るか”を常に考え、必要に応じて事業の取捨選択をスピーディに行うことにあります。
  • 大儲けできる分野
  • 安定する分野
  • 衰退が見えている分野(早期撤退)
    この3つを的確に仕分けし、資金的な余力がある場合は「少額多品種」投資を活用していくことで、結果的にリスクを抑えながらも収益性の高いポートフォリオを築くことができます。
もし、今まさに「このまま既存事業に固執していいのか?」と迷っている方は、一度“投資家目線”になって事業を見直してみてください。そうすることで、新たな可能性や撤退すべきポイントが明確に見えてくるかもしれません。

今年亜色々なものに挑戦しながら整理整頓を同時進行で進めたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする