今回は写真もなく長文です。
興味のない方はスルーして下さい(笑)
9月14日に石木ダム問題で佐世保市に抗議のメッセージを送っていたところ10月4日に回答がありました。
回答をしてくれたことには感謝したいのですが内容はとても納得いく内容ではなかったので再度質問と意見を送りました。
* 前回のブログ「石木ダム問題で佐世保市に抗議のメッセージを送りました(・ε・)」
http://blog.goo.ne.jp/yasuhiro0905/e/bce23419273325395566c765235b7ea5
<佐世保市の回答>
石木ダムは、川棚川の治水(洪水調節)と、佐世保市の利水(慢性的な水源不足を抜本的に解決)を目的として、長崎県とともに建設を進めている多目的ダムであります。
本市の水源不足の状況は、石木ダム建設に参画した昭和50年以降、昭和53年、平成6年から翌7年、平成17年、平成19年の4回給水制限を実施しており、昭和53年及び平成6年から翌7年については最大43時間断水が行われ、特に平成6年から翌7年は給水制限日数が264日間と非常に厳しいものでありました。
また、給水制限の直前の降雨により何とか回避できた年が5回を数える等、佐世保市は頻繁に渇水の危機に瀕しています。
これは、本市の水源が他都市に比べて少ないことに起因しております。
また、ご質問にありましたとおり、長崎県内の各自治体でお盆時期から節水の呼びかけがありました。
佐世保市だけが貯水率90%を超えていたとのご意見ですが、7月上旬の平年より早い梅雨明け以降、本市においても降雨がない日が続き、このまま行けば給水制限となる可能性もありましたので、水道局内では渇水対策会議を8回行うなど、皆様から見えないところで対策を進めており、大変危険な状態でした。
幸いにも、8月下旬に佐世保市だけ局地的に降雨がありまして、節水の呼びかけを行うまでには至らずにすみましたが、例えば降雨量が西海市や大村市といった周辺自治体並みであれば、本市も節水の呼びかけを行っていたと思われます。
人口の減少や水需要の予測については、国庫補助事業を行う際に5年に1度、『再評価』という事業の見直しを行う制度があり、その中で検討を行っております。
『再評価』については昨年度検討を行い、国へ報告し、石木ダムの事業の継続が認められておりますし、その前では『ダムの検証』という、全国のダム事業の見直しについても、平成23年度に国へ報告し、翌24年度に「事業継続」との対応方針を頂いております。今回はさらに、『事業認定』という手続きについて9月6日に告示があり、石木ダムの「公共性・公益性」が認められました。
この様に多数の手続きにおいて、佐世保市の将来の水需要予測を含めた第三者委員会の審議を踏まえて石木ダムの必要性が認められております。
石木ダムは本市にとって無くてはならないものでありますので、事業に理解を得られていない地権者の方々に対して、本市の実情を理解していただくよう、誠心誠意努力しているところでございます。
<佐世保市の回答についての私の再質問と意見>
平成15年9月15日に私が佐世保市のホームページから投稿いたしました石木ダム建設についてご回答を頂きありがとうございました。ご回答頂いたことには感謝したいのですが内容についてはとても納得できるものではありませんでしたので再度質問と意見を述べさせていただきます。
まず「本市の水源不足の状況は、石木ダム建設に参画した昭和50年以降、昭和53年、平成6年から翌7年、平成17年、平成19年の4回給水制限を実施しており、昭和53年及び平成6年から翌7年については最大43時間断水が行われ、特に平成6年から翌7年は給水制限日数が264日間と非常に厳しいものでありました。また、給水制限の直前の降雨により何とか回避できた年が5回を数える等、佐世保市は頻繁に渇水の危機に瀕しています。これは、本市の水源が他都市に比べて少ないことに起因しております。」という点についてです。
昭和53年は11日間の時間断水、平成17年の給水制限はわずか8日間の減圧給水制限、平成6年から翌7年は217日間の時間断水と52日間の減圧給水、平成19年は合併前の旧佐世保地区では124日間の減圧給水制限が実施されました。昭和50(1975)年から平成24(2012)年までの38年間に断水があったのは2回だけ。しかし、これをもって「頻繁に渇水の危機に瀕している」とはいえないのではないでしょうか。
平成6年から7年にかけての渇水は、佐世保だけでなく九州北部、瀬戸内海沿岸から東海地方まで広範囲におよび、各地で上水道の供給が困難になり時間断水などの給水制限が実施されました。影響は1660万人に及び、農作物の被害は1409億円にのぼったとされています。福岡市では佐世保市を上回る295日間の断水を行っています。長崎県でも長崎市を含む25市町村(当時)で給水制限が行われました。西海市からも農業用の伊佐ノ浦ダムの水を原水として大量に佐世保市へ運んだ事を覚えています。このような広範囲に及ぶ大渇水をことさらクローズアップして佐世保市がいかにも渇水に弱い都市であるかのように決めつけるのは誤りだと考えます。
佐世保市水道局は、平成17年10月、「平成17年度 異常気象による渇水(総括)」と題する渇水報告書を発表していますが、そのなかで「下の原ダムの嵩上げが完成していたら給水制限に入ることはなかった」とのべています。ということは現在では17年度の給水制限はあり得ないということを水道局自ら認めたことになります。また「給水制限の直前の降雨により何とか回避できた年が5回を数える」とありますが、下の原ダムの嵩上げ後の現在では考えられないということでもあります。しかも5回の内には、2週間前が2回、10日前が1回あり、これを「直前の降雨」に入れるのには違和感があります。逆にそんなに渇水が心配ならなぜ地権者の同意が得られる見込みのまったくないダム建設など早く諦めて他の対策に力を注がなかったのか疑問です。
一日平均給水量は、平成11年と比較して現在約1万㎥減少し、年間にすると約365万㎥(約50日分)の水が使われなくなってきています。平成20年度以降は1日平均配水量も安定水源の77、000㎥/日を超えたことはありません。佐世保の人口は平成40年には現在の26万人台から19万人台に激減すると推計されています。このような状況の中で今さらなぜ新たな水源を、多額の税金を投入し、他地区の反対地権者の大切なふる里をうばってまでダムに求める必要があるのでしょうか、まったく理解できません。
次に「ご質問にありましたとおり、長崎県内の各自治体でお盆時期から節水の呼びかけがありました。佐世保市だけが貯水率90%を超えていたとのご意見ですが、7月上旬の平年より早い梅雨明け以降、本市においても降雨がない日が続き、このまま行けば給水制限となる可能性もありましたので、水道局内では渇水対策会議を8回行うなど、皆様から見えないところで対策を進めており、大変危険な状態でした。」という部分ですが、私は「佐世保市だけが貯水率90%を超えていた」とはいっていません。8月19日の時点で貯水率が佐世保市を上回っていた自治体が県内で5自治体あるということを確認した上で、私は「佐世保市は90%の貯水率で余裕で水は足りていました」といっています。このときの正確な数字は89・8%でした。渇水対策会議が8回行われたということですが、そのつど水源の余裕が確認され、結果として節水の呼びかけさえ行われなかったのですから、「大変危険な状況でした」というのはおおげさだと思います。なお私が有線放送で西海市の節水の呼びかけを聞いたのは8月13日です。そのときはまだ佐世保市も晴天の日が続いていました。仕事をしながら「佐世保はこの旱魃でも余裕だな」と思ったものです。
「水需要の予測」についてですが、5年に一度の『再評価』をして見直しをしているということですが、佐世保市の予測はいつも実績との乖離が激しいので驚いています。直近の平成19年予測で平成23年度の予測と実績を比較してみると、生活用水量は予測46、858㎥/日に対して実績42、884㎥/日(―3、974㎥)、業務・営業用水量は予測22、144㎥/日に対して実績17、486㎥/日(―4、658㎥)、工場用水量は予測3、525㎥/日に対して1、890㎥/日(―1、635㎥)、一日平均給水量は予測84、636㎥/日に対して実績71、153㎥/日(―13、483㎥)、一日最大給水量は予測105、400㎥/日に対して実績80、240㎥/日(―25、160㎥)などとなっています。これはおよそ予測などと言えるようなものではありません。企業なら担当者は責任問題、世が世なら切腹ものです。こんなでたらめな「水需要予測」をもとにダムは必要だといわれ、ふるさとを捨てることを求められ続けられている反対地権者はたまったものではありません。水道局長は、リーマンショックの影響などいろいろと弁解を試みていますが「誠心誠意」を口にするなら言い訳の前にまずこのことを反対地権者に謝罪すべきではないですか。それにしても佐世保市水道局はなぜ毎回の見直し事に「過大予測」と言われるような予測ばかりするのですか。もう少し精度の高い、少なくとも「当たらずとも遠からず」ぐらいの予測がなぜできないのですか。
佐世保市水道局が発表した平成24年度再評価の水需要予測も早くから「過大予測」が指摘され、科学者団体からは「無理に無理を重ねた最悪の予測」とまで酷評されています。私も疑問点は多々ありますが、今回は二点だけ質問します。
今回の予測の大きな特徴は減少してきている工場用水がV字回復して激増するというものです。その中でも、昨年10月に発表されたSSkの経営方針変更に伴う給水量の伸びを強調しています。この計算過程は「修繕船の売上高を2倍見込んである」ということを前提としていますが、SSkの経営方針は売上高を2倍に設定したものではなく、全売上高に占める割合を13%(86億円)から25%(100億円)へと倍増させるものです。売上高は1.16倍です。1.16倍と2倍では大きな違いです。また、ドック修繕船水量を2、206㎥/日とし、売り上げが2倍になるので計画水量を4、424㎥/日としています。しかしこれでは年間730隻となり、2倍どころか年間実績35隻の20倍以上になってしまいます。こういうことはいくらなんでもありえません。計算過程に誤りがあるのではないですか。
また、観光客数と業務営業用水量(小口)は連動は連動するとしていますがはたしてそうでしょうか。平成24年の10月には、「よさこい佐世保まつり」(よさこい)とハウステンボスで開催された「第10回全国和牛能力共進会」(全共)の2つの大きなイベントがありました。よさこいには踊り子だけで約7、000人、見物客も含めて約20万人、全共のハウステンボス会場には約40万人が訪れたと報道され、市外からの交流人口もかなりの数があったものと考えられます。しかし、よさこい期間中(10/19~21)の3日間の佐世保市の一日配水量の平均は70、890㎥/日、全共期間中(10/25~29)の一日配水量の平均は71、060㎥/日で、10月の配水量の平均71、770㎥/日をいずれも下回っています。観光客数の増加はまったく全体の配水量の増加に影響していません。これをみると観光客数と業務営業用水量(小口)が連動するという認識は誤りなのではないですか。
結局、過去の歴史を見ても佐世保市水道局の水需要予測は石木ダム建設が必要という結論を導き出すための数字の積み重ねです。だからいつも「過大予測」になるのです。私は佐世保市の水需要は、今までの流れと、それを覆す特別な要因がないことから「今後とも更に少しづつ減少していく」と「予想」します。それが佐世保市の貯水率を毎日チェックしている者の実感です。私のような素人がする感覚的な予想と水道のプロの集団である佐世保市水道局が費用と時間をかけて作り上げ、さまざまな「有識者」たちが是とした右肩上がりの「予測」のどちらが正しいのか、誰にも手を加えることができないリアルな現実が早晩明らかにするでしょう。
最後に、半世紀近くN0!!と言い続けているにもかかわらず、隣町の小さな集落にダム建設の圧力をかけ続けていることは甚だしい人権侵害です。男女関係で言えば、交際を申し込んで断られたのに執拗につきまとうストーカーです。学校で言えば長期にわたる陰湿ないじめです。石木ダム建設予定地の川棚町・川原(こうばる)に住む反対地権者の方々は自分たちの大切なふる里がダムの底の沈められるのではないかという不安を日々感じながら生活しています。しかも半世紀にわたって・・・。こういう状況を人権侵害だと思いまませんか。
佐世保市の市民憲章の中には「絆を大切にし」とあります。しかし、石木ダム建設計画は、用地買収に応じてふる里を捨てて出ていくもの、後に残って反対を貫くもの、両者の間に深い溝を作り、地域の絆をずたずたにしました。「美しい海や山を守り住みよい環境をつくりましょう」とあります。予定地の川原にも美しい川や山がありそれを守り、後世に残したいう気持ちはとても強いものがあります。私もこの夏、石木川のホタルを撮影に行き、ホタルの乱舞に感動し、ここは絶対ダムの底に沈めてはならないと強く思いました。佐世保市は自分たちの自然は守るが他地区の自然はどうでもいいのですか。また、「お年寄りを敬い」とあります。川原のお年寄り達をいつまで監視小屋に通わせるつもりですか。石木ダム建設は佐世保市の市民憲章の精神にも反しています。
反対地権者は事業認定が告示されても「川原に住み続ける」と固い意志を示しています。用地買収に応じる可能性は皆無です。もし石木ダムを造ろうとすれば土地収用法に基づく暴力的な強制収容するしかないというのが厳しい現実です。しかし強制収容は必ず失敗します。長崎新聞の論説(平成25年10月19日)でも、「切実度理解しにくい状況」と疑問を述べたあと「強制収容など論外だろう」と結んでいます。長崎新聞のみならず、佐世保市民、長崎県民にとっても強制収容など論外です。よく佐世保市も長崎県も「誠心誠意」を口にしますが、今、地権者に受け入れられる「誠心誠意」があるとすればそれは、今までの非礼を心から詫び、石木ダム建設計画を白紙撤回することだけです。
以上のことから石木ダム建設計画の即時中止を再度進言します。
*答えて欲しい質問事項を以下にまとめました。ご回答をよろしくお願いします。
①佐世保市水道局の水需要予測はなぜ毎回実績値との乖離がはなはだだしいのかなぜもっと精度の高い予測が出来ないのか。
②石木ダムの必要性の根拠にしてきた水需要予測が実績値と大きく乖離しているのに反対地権者に対して謝罪の一言もないのはなぜか。
③SSKの経営方針の変更に伴う使用水量予測の計算に誤りがあるのではないか。
④観光客数と業務営業用水量(小口)は連動する、というのは根拠がないのではないか。
⑤反対の意志を明確にしているのにもかかわらず、ダム建設の圧力をかけ続るのは人権
侵害ではないか。
以上。
はたして回答はいただけるのでしょうか?
心待ちにしております(^^)