宮崎県で発生した口蹄疫の影響で延期になっていた長崎県内の家畜市場が相次いで
開催されることになりました。
私が子牛を出荷している平戸口中央家畜市場も明日(27)、明後日(28)の2日にわた
って開催されます。5月開催予定の家畜市場が一ヶ月以上も延期になり、いったいどうな
ることかと心配でしたがほっとしています。
*5月21日で印刷されていた子牛の名簿
明日の競りに出荷予定の雌牛のおとめです。
一ヶ月待たせる間にだいぶ大きくなってくれました。
今日は念入りに水洗いして汚れを落とし、ブラッシングしてやりました。
明日の夜には新しい飼い主の牛舎にいることでしょう。
お父さん、長い間お世話になりました・・・
なんて言うわけないよなー。
まだ安心できませんが、必死の防疫作業で口蹄疫も終息に向かいつつあるようです。
長崎県から防疫作業の応援として宮崎県に行った友人の県職員から次のようなメールが来ました。
「・・・宮崎でのウイルス拡散防止対策は、思い通り徹底されていました。宿泊先のホテルからバスで役場に着いた後、専用のスリッパ、下着、靴下、防護服2枚重ねに着替え、専用バスで殺処分農場に出発します。農場から100mほど離れた場所でバスを降り、そこに準備してある運動会用のテントで、新品の長靴、手袋(軍手を含め3枚重ね)、ゴーグル、マスク、専用の帽子をかぶり、その帽子の上から防護服のフードを2枚かぶりました。その後、手首と足首はウイルスが入ってこないようにガムテープでぐるぐる巻きにして農場内へ歩いて移動です。作業終了後は、農場出口で噴霧器による全身消毒を受け、その場で、下着と長靴以外を埋却用のフレコンバックに脱ぎ捨て、下着のまま歩いて100mほど離れたテントまで戻りました。テントでは、下着を新品に着替え、新しい防護服を1枚着た後、長靴をスリッパに履き替え、送迎バスに乗り込みます。
基本的に農場内で身につけていた物は、長靴も含め農場を出る際に全て廃棄となります。バスに乗り込む前にも足首から下の消毒がありました。バスで役場に着いてからは、①踏込み消毒槽による靴裏の消毒→②噴霧器による足首より下の消毒→③希釈酢による手首、手の平の消毒→④ヨード剤による手首、手の平の消毒→⑤イソジンによるうがい→⑥シャワーを浴びた後、更に下着を新しいものに変えて帰りのバスに乗り込みます。また、ホテルに帰るとすぐにシャワーを浴び、役場とホテルの往復に使った服とスリッパを希釈酢に漬け込み消毒後、洗濯を行いました。鼻からは希釈酢を吸い込んで、鼻の中を消毒し、耳は希釈酢で湿らせた綿棒で消毒しました。宮崎から帰省する際には、希釈酢の風呂に入り、帰省用に長崎で袋に密閉していた服と靴を身につけ、携帯と財布以外、宮崎に来る時の服や靴も含めて全てホテルで処分してもらいました。消毒漬けの毎日です。全国各地から1週間から10日毎に、600人もの作業員が、集まっては戻りを繰り返しているのですから、ウイルスを持ち帰らないためにもこの消毒にも納得できました。」
「・・・殺処分の現場では石灰や消毒薬による炎症が多数発生していました。新聞に発生件数が載っていますが、軽症で申告していない人も含めるとかなりの数になると思います。私も股のところが炎症になりました。防護服を2枚着ているのですが、作業中盤になると歩くたびに長靴がチャポチャポ音がするくらい汗が溜まります。防護服も汗と消毒薬でぐっしょりです。ウイルスの封じ込めには最後に大量の消石灰を人力で散布するので、その時に防護服についた石灰が溶けて染み込んでくるために炎症になるようです。初めは股ずれかと思って我慢していたのですが、防護服を脱いでから見ると炎症でした。同じ作業班の人には、釘を踏んで病院に行った人もいましたし、以前に目を蹴られた獣医さんは後遺症が残るような話しもされていました。6月一杯での殺処分終了を目指して、雨の日も無理して作業を行っているようなので、これ以上の怪我人が出ないことを願いたいです。」
宮崎に行っていたとはつゆ知らず・・・。
たいへんでしたね。ほんとにお疲れ様でした。
関係機関の懸命な努力が報われて、口蹄疫が終息してくれることを願うばかりです。
たぶん明日の家畜市場はものものしい防疫体制の中で行われるでしょう。
頭から消毒液を かけられるかもしれません。
しかし、そんなことより子牛を競りに持って行ける。その喜びは何にも勝ります。
明日は午前3時に起きて、いざ出陣!です。