長崎新聞が石木ダム建設問題について論説を載せました。
まさに正論だと思います。
「必要な公共事業は必要だ」と主張したい。
反対地権者はむやみに反対しているのではありません。自分たちで石木ダム事業
を検証した上で「必要性が全く理解できない」から反対しているのです。しかもどこが
疑問なのかを公開質問状をだして具体的に質問し「必要性を説明してくれ」と言って
いるのです。しかしまともな回答を県も佐世保市もできないでいます。必要性の説明
もまともにできないのに協力ができないのは当たり前です。
「強攻策で問題が解決するか疑問だ」
強制収容は力づくで、家や土地などの財産とたいせつなふるさとを取りあげるということ。
反対地権者してみればまさに強奪、強盗、強姦されるのとといっしょです。
地震、津波、土石流などの自然災害ではなく人の意志によってそれと同じようなことを
やるというのです。しかも佐世保市長はそれにつながる手続きを「粛々と進めていく」
と言っています。恐ろしいことです。
地権者は「命をかけても反対していく」と言っています。粛々と進むはずがありません。
不測の事態になった時、責任をとる覚悟はできているのでしょうか。
「現地で暮らしている人が拒否している場所に100億単位の金をかけ、
土地収用という強権を用いてまでダムを造るーという話に、今の県民の
支持が広がるのか、となると首をかしげざるを得ない」
佐世保市の負担は約300億円と言われています。全部市民の税金。
造ったら造ったで維持管理費の負担もえんえんと続きます。
少しも無駄使いができないほど厳しい財政状況の佐世保市。もっと他に
やることはないのでしょうか。老朽化していく水道管の更新にかかるお金
だけでもはんぱじゃないですよ。
「水需要が増えると言われても、人口減と経済の不振を実感する県民
にとって現実味に乏しい」
佐世保市の水需要が今後右肩上がりに増えていくという予想を佐世保市
水道局は立てているわけですが科学者グループからは「無理に無理を
重ねた最悪の水需要予測」と酷評されています。
佐世保市の水需要予測は「現実味に乏しい」というより100%デタラメの
過大予測です。前回の予測も大外れ。だって、水需要が増える要素が
なにひとつないのですから・・。
この場で約束します。右肩上がりの水需要予測があたれば私は佐世保
市役所の前で土下座して謝罪します。
あっ、これは弁護団長の馬奈木先生もおっしゃっていましたね(笑)。
「計画が始まって40年。行政が強攻策に出るたび結果は裏目に出る」
「行政が目的に従い手順を踏もうとするほど、それを見守る民意は
離れていく」
行政が強権的な手段を使おうとすればするほど地権者の反発は強まります。
30年前とは比べものにはならないほど情報の伝達が早い時代になっています。
あのときのように機動隊を使い、反対住民や支援者を暴力的に排除しようとし
たらその映像や写真はたちまち、インターネットなどを通じて国内はおろか
世界中に配信されるのです。まさに長崎の恥、日本の恥です。
必要性をまともに説明できない事業が多くの人に支持されることはありません。
長崎新聞の論説の通り、収用裁決を申請すれば「事態は一層こじれる」方向に
向かうでしょう。13戸60人の強制収容は無理です。
長崎県にもっと知恵のある軍師「官兵衛」はいないのか・・・。