4月21日投開票の川棚町議選で石木ダム建設予定地の反対地権者、炭屋猛(すみやたけし)さんがトップ当選を果たしました。
地縁・血縁がものをいう田舎の町議会選挙で、有権者が50人いるかいないかの小さい集落から出て795票を獲得してのトップ
当選ですからたいしたものです。川棚町民の良識の現われでしょう。
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平成31年4月21日執行 川棚町議会議員一般選挙開票結果
当日有権者数 11,525人
投票総数 7,041票
投票率 61.09%
すみや 猛 795票(当選)
はつて 安幸 728票(当選)
ほりいけ 浩 561票(当選)
はと 勇則 451票(当選
山口 隆 376票(当選)
ほりた 一徳 397票(当選)
福田 徹 340票(当選)
田口 一信 416票(当選)
水谷 末義 409票(当選)
高以良 ひさと 401票(当選)
小田 成実 393票(当選)
村井 たつみ 389票(当選)
もうり よしのぶ 372票(当選)
小谷 りゅう一郎 345票(当選)
辻 きよと 305票
三岳 昇 284票
「当選だ」-。定数14に対し、16人が争った東彼川棚町議選。県と佐世保市が同町に計画する石木ダム
の建設予定地の反対地権者で、無所属新人の炭谷猛さんがトップで初当選し、選挙事務所で仲間らと議席
獲得を喜んだ。
建設予定地である川原地区では反対住民13世帯が暮らすが、県は宅地を含む土地の収用手続きを進めて
いる。「町民の土地が奪われようとしているのに、町も議会も黙ったままだ」と不信感を募らせていた。
反対住民の思いや現状を知ってもらい、ダム問題について考えてもらおうと、2年前から町内各地で学習会
を重ねた。世論の広がりを感じ、町議選への出馬を決意。同地区住民や反対運動の支援者の協力を得ながら
町中を駆け回り、「自然豊かな川棚にダムは要らない」と声をからした。
炭谷さんは選挙事務所で万歳し、「ダムは要らないという声が町民の信任を得た。しっかり反対の声を訴
えていく」と言葉に力を込めた。
上の「記者の目」の記事の中で、地権者は炭屋さん、共産党公認候補は引退した久保田和江さんの議席を引き継ぐためわざわざ
佐世保市から川棚町に移住して立候補した辻きよとさんです。共産党は川棚町の地元から後継者を立てることができていれば
もう少し結果は変わっていたかもしれません。
前回、石木ダム建設反対を唯一掲げていた久保田さんが獲得した票は609票。今回は2人の候補者がダム反対を掲げて合計1100票。
川棚町でも、確実に、石木ダム建設に反対、疑問の意識が広がっていることの表れでしょう。
逆に、町議会石木ダム対策特別委員会の委員長をしていた田口一信さんは、選挙戦を通じて石木ダム建設の必要性を
訴えましたが、当選したものの前回の663票から247票減らし416票にとどまっています。
田口さんの選挙ポスターには、
「石木ダムは川棚町民の安心・安全のために是非とも必要な防災施設です。佐世保市への利水は付随的な
事柄です。地権者のご理解を得て、石木ダムの建設・水源地域整備そして川棚町の新しい町づくりに尽力します」
と書いてありました。私は、「川棚川の治水は予算を増やすための付随的なもの」と聞いていましたがどうやらこの方の認識は違う
ようです。「利水はもはや必要性の大きな理由にならない」と考えているのでしたら「達見」です。
「達見」でもないか・・。私にしてみたら「常識」だし・・・。(笑)
石木ダムの必要性の根拠とされる、「佐世保市の利水」も「川棚川の治水」も、石木ダムを造るという目的のための「付随的なもの」
にすぎないのです。
そして、「地権者の理解を得て」ということですので、この公約通り、地権者の理解も得ず、地権者と話し合うとした知事の約束も
果たさず、強引に工事を押し進めようとしている長崎県に対して物申してほしいと思います。