僕と猫のブルーズ

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美しいノイズに揺れて~映画「キリエのうた」を視て

2023年11月05日 | Art・本・映画

普段映画はあまり見ない。それでもコロナ前は会社帰りに観に行ってたが。
コロナの影響で在宅業務が増えて、仕事の後わざわざ外出して映画館に行くがなくなった。
ただ、現在公開中の岩井俊二監督「キリエのうた」はどうしても視たくて連休を活かして観に行った。
新宿駅東口に映画の大きなポスターが掲示。昼食の後、新塾ピカデリーで視た。

映画の感想。上映中なのでネタバレ少な目で。
路上で歌うある少女キリエを巡る物語。
彼女の子供時代~高校生~現在に至る十数年を大阪、北海道、東北、東京を舞台に描く。
ある意味ロードムービー。
主演は元BISHのアイナ・ジ・エンドと広瀬すず。
主人公が少女2人。大切な者の死の記憶。喪失。遺された者、待ってる者。
輝く青春の背後にある残酷な秘密。過去岩井俊二が何度も描いたテーマ。
今回もそのモチーフの繰返し。物語自体も決して新鮮ではない。

でも、それでも善かった!圧倒的に美しい映像と音楽に3時間飽きなかった。
音楽の鳴りがこんな美しい映画初めて視た。特にアコギの音の響きがホントに良い🎵

そして主演アイナ演じるキリエの歌声。凄かった💗
アイナ嬢の存在は勿論知ってしTVで何度も視てるが歌声を聴くのは初めて。
決して美声ではない巧くもない。しゃがれてて聴きづらい声だ。
でも空間を軋ませハウらせる。ある意味ノイズ。
こんな歌声、初めて聴いた。衝撃だった惹きこまれた🥰
キリエの声、有り様に目が離せなかった。

キリエの相棒イッコを演じる広瀬すずも素晴らしかった。
天使と悪魔が共存する存在感。
そしてキリエをサポートする夏彦演じる松村北斗は唯素晴らしい。
ミュージシャンが色んな処で登場してるのも良かった。
七尾旅人の演技が見れたのが個人的には嬉しかった☺

そして仙台出身の岩井監督が初めて311を正面から描く。
こう描くか!視てて・・・ただ苦しかった😢
自分が実際に視た東北被災地の光景がアタマの中で渦巻く。
混乱し泣き叫びそうになった。
311を逃げずに真摯に描いてくれた岩井監督には感謝したい。
3時間の大作。見易い映画じゃない。
色んな要素詰込み過ぎだし時勢や場所も途中で分からなくなる。
スッキリ視れない分、それが色んな引っ掛かりとなってココロに残る。
映画を視てる間ずっとココロが揺れてたざわめいてた。なんか・・喰らった映画だった(^^

映画を見終わった後、ココロを静めようと新宿の街を散策した。
夕暮れどきが美しい。タワレコで最近気になるバンド羊文学のCDを買った。
話題のゴジラや東口の巨大猫さん🐱を観た。楽しくてようやく気分が落着いた。


今日は家でパンフレットを読んでる。1日経っても未だ余韻が消えない。
映画自体がノイズとなって自分に響いてる。
それは矢張り・・・自分にとってイイ映画だったのだろう。
岩井俊二。やっぱり好きな映像作家だ。この映画視て改めてそう想った。

来週は稲垣吾郎さん主演の「正欲」を視に行く予定。
予告編見て。。これも揺さぶられそうな映画と感じた。
単純に楽しめる映画も善いけどオレはココロに
刺さる揺さぶられるノイジーな映画を視たい。
それがオレにとって「楽しむ」って事なので。
おはちゃん、お休みってイイね。来週も仕事休んで映画行くよ。楽しいね(^_^)


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