航空支援集団の隷下部隊の美保気象隊では、1日24時間、1年365日絶え間なく飛行場の気象状態を観測しています。その観測のひとつに、上空の、目に見えない風の状態を知るため必要に応じて行うパイボール観測があります。この観測では、毎分約200m上昇する大きな観測用気球を放ち、測風経緯儀を使用し方位角と高度角を60秒毎に精確に計測して気球の動きを立体的につかみ、飛行場上空の高度ごとの風向と風速を算出します。飛行機にとって風は揚力を得るうえで重要な要素であり、パイボール観測などで得た上空の風のデータは、飛行機の安全な離着陸のための情報としてパイロットに提供されます。
航空気象群は、群本部、中枢気象隊及び気象通信隊を府中基地に、20個気象隊及び3個気象班を全国各地に配置し、気象予報、気象観測及び気象情報の収集、伝達等の各業務を実施する。
気象通信隊が運用する統合気象通信用電算機(JOWCOM)及び陸海空気象部隊が使用する気象通信用端末装置(WECOM)により、空自だけでなく陸上・海上自衛隊の飛行場(航空基地)からも気象情報を収集し、提供を行っている。JOWCOMは、気象庁COSMETSと連接し、気象庁と気象情報の送受信を行っている。また、独自の気象解析を行うため、統合気象解析予報用電算機(JAFCOM)を中枢気象隊で運用している。
航空支援集団の隷下部隊の美保管制隊は美保飛行場(米子空港)及びその周辺空域を飛行する自衛隊機、民間機等の安全のため、管制塔とレーダーにより空における管制をしています。国土交通省の国家資格試験に合格した航空管制官(自衛官)は、無線によりパイロットに必要な指示、許可、情報を提供し空の交通整理をしています。
整備員は、これらの業務に関連する無線機、レーダー機器等の維持管理に従事しています。なお、美保飛行場は、悪天候時においても航空機を安全、効率的に誘導するためのレーダーを有している山陰地方唯一の飛行場です。
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