陸上自衛隊が昭和52年度予算と昭和53年度予算で研究用として1機ずつ購入し、昭和54年度予と昭和55年度予にそれぞれ配備されました。昭和57年度予算からは本格的な調達が開始され、7機目から富士重工業(エンジンは川崎重工業)によってライセンス生産も始まり、2000年(平成12年)12月14日までに90機が生産。陸上自衛隊は2012年3月末時点でAH-1Sを73機保有しています。
陸上自衛隊で使用されている「AH-1S」は、最初に輸入された2機が能力向上型の「AH-1E」に、富士重工業でライセンス生産された機体は発達型LAATの「AH-1F」に相当するものである。74号機以降は"C-NITE"と呼ばれる夜間作戦能力向上形となり、73号機以前の機体も少数が改造されています。
航空部隊に攻撃力を与え、火力支援、対機甲戦闘を可能にした。武装は機首に20mm機関砲を装備。胴体左右にTOW対戦車ミサイルと70mmロケット弾発射筒を搭載。前方からの被弾面積を小さくするため、正面から見ると極端に細いシルエットを持っている。機体ナンバー#73473以降のものはC-NITE(コブラナイト)と呼ばれる夜間行動能力向上型である。(それ以前の機体でもC-NITEに改修されたものがある。)従来型とC-NITEとの見分け方は、機体の上下のワイヤーカッター、およびコクピット前のレーダージャマー送信アンテナとローター下の受信アンテナが付いている方がC-NITEである。(#73473以前の機体でも、レーダージャマー送受新装置が左右のスタブウイング上に後付けで設置されているものがある。)コクピット下には20mm機関砲弾の弾倉スペースがあるが、駐屯地祭などではこのスペースを荷物入れにしているケースも見受けられる。UH-1などの汎用ヘリは、民間のヘリと見比べても大差ない感じですが、このAH-1Sという攻撃ヘリは、まさに「戦うためだけ」に洗練されたフォルムをもってます。
数々の改修により燃料を最大に積載した状態では、9,300lbs(4,213Kg)となり、最大離陸重量10,000lbs(4、530kg)に近く最大武装状態では飛行ができない。また、弾薬を多く搭載すると燃料積載量を減らさねばならず、飛行時間が減少する二律背反現象がおきています。
エンジン不良によって数件の墜落事故が発生している。2000年(平成12年)に東富士演習場で発生した落着事故に関し、川崎は防衛庁(当時)によってPL法に基づき訴訟を提起され、2012年1月30日に東京地裁から2億3千万円を賠償を命ずる判決を受けた。単発機の特性上、エンジン1基の故障は即座にエンジンリスタートの試行やオートローテーションを用いた着陸を選択せざるを得ない状況を生む。
2001年(平成13年)8月27日に、防衛庁は陸上自衛隊の次期戦闘ヘリとして、三菱重工業が提案した最新型双発・4ローターで性能・信頼性共に大幅に上昇、AH-1Wのダイナミックコンポーネントからの改造製作が基本である「AH-1Z」を下し、富士重工が提案したボーイングのAH-64D アパッチ・ロングボウを選定した。これは陸自と米陸軍の密接な関係により採用されたもので、現行AH-1Wと共通性はあってもAH-1Sとは機体構造が違い、元来が米海兵隊向けのAH-1Zは分が悪かった。なお、AH-64Dはボーイングが2007年(平成19年)にブロックIIの生産終了を発表した為、部品供給を前提とした富士のライセンス生産が不可能となり、中期防衛力整備計画(平成13年度~平成16年度)分の6機と中期防衛力整備計画(平成17年度~平成21年度)分の4機と中期防衛力整備計画(平成23年度~平成27年度)分の3機の合わせて13機で調達を打ち切ることになった。後継機は再検討されるが、退役の迫るAH-1Sの運用がどうなるのかは未定です。
愛称 コプラ
全長 16.16m(胴13.59m)
全幅 13.4m(ウイングスパン幅3.28m)
全高 4.19m
ローター直径 13.41m
最大全備重量 4,536kg
乗員 2人
最大速度 231km/h
巡航速度 228km/h
航続距離 456km
実用上昇限度 5,120m
製作 富士重工、川崎重工(エンジン)
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