第2次世界大戦下のナチスドイツによる罪について問われた「フランクフルト・アウシュビッツ裁判」の初公判までの経緯などが描かれたドラマです。
第二次大戦終結後、日本は戦犯裁判がすぐに行われていたのに所謂戦犯を裁く裁判がドイツで戦後20年近くを経てから行われていたことを
不明にして本作で初めて知りました。さらにドイツでは20年の月日の内にドイツ国民が『アウシュビッツ』の存在さえ忘れかけている事にも驚きです。
歴史の事実をベースにエンタメ性を程よく入れ込み、とても観易い映画になっています。ナチスSSの多くのメンバーは公職につき、普通の市民として
暮らしている、そんな戦争犯罪者を再び法廷で裁くことになったのは、もちろんそれに尽力した実在の人物がいたわけだが、映画では正義感に溢れる
若き検事(ヨハン・ラドマン)をその人物に据えている。『愛を読む人』でブルーノ・ガンツ演じる大学教授が言う「法とは狭いものなのだよ」・・・
それと同じような台詞をこの主人公はいう「法は法だ」。この台詞で、彼はやり遂げるだろう、という人物像がわかる。
が・・・・解明しようとする検事とジャーナリストが何処かで『暗殺』『拉致』などのストーリーになるのでは?とハラハラする場面も。それとは又裏腹に
彼女とのラブストーリーがコミカルに、先輩検事との関係もいい味出しており重い内容なのに飽きることなく見れた。
戦争体験者を時代の被害者とし反戦とするのは、今の日本も、
特に昨今の邦画の傾向と同じですね。でも、それだけじゃ済まされないのが現実です。 ★★★★