ゲーム会社の社長を務めるミシェル(イザベル・ユペール)はある日、自宅で覆面の男性に暴行されてしまう。ところがミシェルは警察
に通報もせず、訪ねてきた息子ヴァンサン(ジョナ・ブロケ)に平然と応対する。翌日、いつも通りに出社したミシェルは、共同経営者で
親友のアンナ(アンヌ・コンシニ)と新しいゲームのプレビューに出席する。
映画冒頭、レイプされるミシェルのシーンから始まります。彼女に対して観客は共感し、同情する。しかし、その後彼女は一通り叫ぶと
警察を呼ぶでも、怯えるでもなく、至って冷静に割れたガラスをゴミ箱に捨て、服を脱ぎお風呂に入る・・・気丈なのか・・・??
なのではイプされた彼女から同情の気持ちが少しずつ離れて行く。その後もひたすら共感できない登場人物達の共感できない行動の数々。
本当に全てが共感できないのは私だけなのだろうか?ミシェルの職業がゲーム会社の社長というのも共感しづらく、彼女の車の停め方も道の
真ん中すぎない?と気になる、気になる。母を許さず、父も許さない。感じのいい息子の彼女にも継母のようないじめを行い、嫌いな相手に
対しては常に目線を合わせず話す。出てくる人全てがネジ一本飛んでるんじゃないかと思えてきます。しまいには、レイプされた犯人に事故
の助けを求めたり、食事会をしたり・・・普通の映画であれば、こんだけ共感出来なければつまらない駄作と言われても仕方ないかも・・・
しかしながら、テンポのいい会話で、決して短くない上映時間を退屈せずに観る事が出来たのは、バーホーベン監督のブラックなジョークと
ミシェルの息子が子供を授かった時、肌の色が全然違う子供が産まれ、親友がニッコリというダークな笑いも。
逆に此れだけ共感出来ないと逆に気持ちがよく、楽しくなってくる作品でした。
共感できない主人公にイライラしてしまう人にはオススメできませんが
私個人は好きな作品でした ☆☆☆★