信州諏訪発気まぐれ親父のブログ

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スリー・ビルボード

2018-02-12 11:30:30 | 映画

ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない

警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や

町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始める。

性犯罪被害者の母親を中心とした物語。遺族の苦悩や警察捜査の現実などが描かれているとてもリアリティのあるドラマでした。

はっきりいって観てスッキリする内容ではないと思います。ですが、犯人に対する憎悪とやり場の無い怒りで苦悩した挙句、

自らもやり過ぎてしまい後に引けなくなってしまっている遺族の様子や、証拠が無く捜査に行き詰まっている警察の苦悩など

とてもリアルに描かれていて、観ていてあっという間に引き込まれて行きました。

観客の予想を裏切っていく物語のひっくり返しが、すべて、3人の主要人物の「正しい」と「正しく無い」の裏がえし

つまり人間の表裏の両面を描いていく物語でした。表と裏のどちらかが真実ということではなく、どちらもその人物を構成する

面である。考えてみれば当たり前の事だけど「正しい」と「正しく無い」の両面を持っているのが、すべての人間の現実の姿だ。

皆がすっきりとする解決策など無いが、それを覚悟したうえで考え続けていくしかない。。。性犯罪は本人のみならず、その周り

の人間までも不幸にする極めて悪質で卑劣な犯罪の一つであるという事がこの映画を観るとよく分かると思います

でも、なんの罪もない一般人にとんでもない暴力を振るうディクソン巡査はダメだと思いますが・・・この巡査も次第に・・・

最初はサスペンス要素が強めの暗い映画かなと思っていましたが、まさかここまで深い人間ドラマだったとは思いもしませんでした。

人間って結局は私利私欲で行動する身勝手な生き物なのかなと考えていましたが、優しさや他人を思いやる行動ができるのも人間で

ある1つの証ですよね。最初と最後で印象がガラリと変わる。最後の最後まで油断できない映画でした

 アカデミー賞有力候補作品ですが・・個人的には  ☆☆☆