きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「三国志」

2009年03月01日 | 映画
「レッドクリフ」のような、壮大な戦記ではなく、
「趙雲子龍、最後の戦い」がメインです。
だから、タイトル的にはどうかと思いますが
まあ、仕方がないかねえ。
「歴史絵巻」として見ちゃダメ。
趙雲をひたすらかっこよく描くためには
史実も「三国志演義」も無視だ、ムシーー!
そんな気持ちで臨んでください。

趙雲の話ですから、阿斗公子救出劇はお約束。
そんな若き日の彼には理想があった。
  劉備が「この一帯」を平定したら太平の世が来る
  そうしたら故郷で家庭を作る。
ささやかな夢は、続く戦いに押し流される。
対するは、曹操の孫娘・曹嬰。
趙雲の最後の戦いが、いま始まる。

「レッドクリフ」と比べたら、
まあ、資本力とかの差が見えちゃうんですけど。
でも、仲間達との友情はよく描けているし
兄と慕う男への生涯変わらぬ尊敬の念も素晴らしい。
なによりもね
白髪のアンディがね、
いいんだよね。
老いてもなお変わらぬ信念や矜持や忠誠。
ストーリー的には、まあ、アレなんだけど、
アンディの演技には感動するわよん。
出てくる女性がね。
若き日の趙雲が「いいな」と思う女性が
浅野ゆう子を若くしたかんじで
曹嬰は時々国生さゆり。

阿斗救出の時、劉備が陣取っていたのが鳳鳴山。
そこから趙雲は出撃する。
最後の戦いの時も、鳳鳴山に陣を構える。
同じところに戻ってきたことについて
趙雲は、こう言う。
「人生とは輪のようなものだ」。
そ、それって、、、
「Circle Game」ってこと?
と、ウッカリ思った上に、帰宅後友人達にメールしちゃったのは私です。

鳳鳴山の陣がさー、
寺の中でさーー、
なにかっていうとその寺の仏像がアップになるのよ。
人間達の戦を見ている神、とか、
そんな意味なんだろうけど、
巨大化して敵を踏みつぶしてくれればいいのに、と
ちょびっと思ったよ。
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「チェンジリング」

2009年03月01日 | 映画
見事な「映画」だった。
いろんな要素を詰め込んでいるのに
最後まで一気に見せちゃう。
最後も、きっちり落とさず
微妙に「続く」となるのが、上手い。
上手い、と、思うけど、
好きかと言われれば、どうかしら。
私は「ベンジャミン・・」の方が好きかも。

現代の日本人が言っても仕方がないことだけど
「禁酒法」って、社会の暗部を拡大しただけじゃないのかー。
この映画って、実話なんだよね。
警察の、不手際の隠蔽方法があまりにもひどすぎるけれど
それが本当にあったかと思うと背筋がぞっとする。
ちゃんとした警官(ちょっとプハチョフに似ている気がする)いるってのが
監督が「アメリカにも正義は存在する」と言いたかったのかな。

後半に入ってくる話も怖いよ。
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「英国王 給仕人に乾杯! 」

2009年03月01日 | 映画
ポスターと予告だけ見て行きました。
漠然と、一給仕人が、英国王の給仕をするようになる
サクセスストーリーかと思ってましたが
まったく違いました。
「アーリア系ボヘミア人」の、数奇な運命、とでもいいましょうか。
「ベンジャミン・バトン」が
人生そのものは数奇ではなかったのに対し
こちらは、普通の人が辿った数奇な運命でした。
主人公は、駅のソーセージ売りから人生が始まる。
モタモタとお釣りを数え、
結局渡さないまま、電車は発車する。
そうして小狡く少額の金を貯めてきた彼は
幸運と不運が交互にやってくる人生を歩む。
ビアホールに職を得た。
ビアホールに来た娼婦と懇ろになり、周囲から嫉妬され退職。
高級娼館の給仕となる。
ある時多額のチップをもらい、周囲から嫉妬され退職。
一流ホテルの給仕人となる。
エチオピア皇帝を迎えた晩餐で給仕し、勲章をもらう。
(皇帝は背が低く、主人公も背が低かったため
 勲章をかけられるのが主人公しかいなかった、という単純な理由)
政治的な対立で店を辞める。
ドイツ人女性と結婚し、妻の推薦で
「優秀なアーリア人種の交配」のための館で給仕人となる。
戦争で妻を失う。
そして・・・
彼がソーセージ売りの時に出会った男性が
後に、ビアホールに来て、サラミスライサーや秤を売り
大金を手に入れたところを見た主人公。
それにより、彼の終生の夢は「百万長者になること」。
正確には、「百万長者の仲間になること」。
ビアホールの客や、高級娼館の客や、ホテルの客の
仲間入りをすること。
それは、意外な形でかなえられた。

自由な空気のチェコが、ナチの支配下に入り
終戦後、社会主義国となる。
お気楽に過ごす主人公の後ろに
時代の流れが浮かび上がる、
なんともいえない映画でした。
面白い、というか、意外とか意表をつくとか、
そんな雰囲気の映画でした。
フラフラする彼に対し、ホテルの給仕頭(?)が
政治的にまったくブレない人でした。
英国王に給仕したことがあるのも彼。
そのような人もいれば、
時代によって変わる支配階級達もいる。
流されるのも人生だし、
流されないのも人生だ。
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JCSジャポ@自由劇場

2009年03月01日 | 劇団四季
全ツで3回見たから、もういいか、とも思ったけど
やっぱりナマが見たくてチケットを取っちゃいました。
千秋楽でした。

金田ジーザスは、前よりは台詞が滑らかになりました。
時々無表情だし、そうかと思えば
いきなり表情や台詞の強弱が変わるので
もう少し、演技にメリハリがあれば・・・、と
全ツで思ったことをまた思いました。
エルサで感情全開ができれば、また違ったジーザスになるのかな。
歌も時々平坦というか。
やっぱ外国語なんだろうなあ、と思うときアリ。
ただそれは、やなジーの歌が体に入り込んでいるからであって
初見の人ならそうは思わないかも。

最後の晩餐の前、ユダを見る目がつらそうに見えたのは
私の気のせい?思いこみ?
裏切られる辛さではなく、
自分のためにユダが苦しんでいることを
申し訳なく思っているような、
つまりはユダの気持ちを正しく受け止め
理解しているように思いました。
たぶん、ちょっと涙目だったと思います。
「思ったとおりに・・・」では、
ユダの上腕部を掴んだだけで、
抱きしめないよな、そうだよな、
と思っていたら、
腰をぐっと下げ、
ひざまずいて縋り付いているユダの顔に
自分の顔が真正面になるぐらいのところで
ユダの視線を受け止めていました。
ユダのすべてを受け止めているんだなー、と思いましたわ。
よしっ!
全般的に、ヤンキーから脱却。
エルサにちょっと期待です。
マイクの音が一人だけデカかった。
音響さん、調整よろしく頼むぜ!
尼崎では呼ばなかった「ヤコブ」は
今日は呼んでいた。
演出なの?なんなのかしら?

スンラさんのユダは熱くて熱くて。
その気持ちが空回りに終わらなくて良かったわ。
「スーパースター」では、ちょっと恍惚とした表情。
新ジーザスに対して、ここまで来たんだね。
裏切りの報酬が、八百屋舞台と、舞台の際の間のエアポケット
(たぶん「石」の回収場所)に落ちて
うはっ!と思ったら、スンラさんは腕をつっこんで探していたけど・・・
取れなかったみたい。
振り上げた腕はこぶしでした。
「晩餐」の前は微動だにせず。
見ているこちらが苦しくて辛いわ。

カーテンコールでは、金田さんとスンラさんが
手を「ギュッ」としていたので
二人としても、良いデキだと思ったのかな。
スンラさんの魂はそれほど抜けず、
笑顔もありました。
金田さんはなんども口パクで
「ありがとうございました」と言ってました。

西マリアは、ひたむきなところがいいよね。
高木さんのような「女」の部分がない。
ビジュアルがよろしい金田ジーザスには
西さんの方が「男」の部分が出なくて、合うかも。

村ピラトは、なんだか、ちょっと弱いような。
ジーザスのマイクの音がデカすぎたのかもしれないけれど
なんか、パンチが足りなかった。
ピラトとしては良かったんだけど。

星野ヘロデは、もう諦めた。

飯田(兄)カヤパの腹チェック。
飯田(弟)ペテロも悪くない。
本城シモンは「手を振るのが見えますか」で
一人だけ違うテンポで手を振るのがツボなのだ。

全ツより、群衆の熱は高いかな。
舞台は狭かった。
2階A席からでも、十字架&ゴンドラは
バッチリ見えました。
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