きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「夜の来訪者」(響人)

2011年11月05日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
第一次世界大戦前のイギリス。
(タイタニック号が4日後に出航って台詞があったので
 1912年4月6日なのかな?)
貴族ではないけど、そこそこ良い階級のバーリング氏の家で
娘の婚約祝いの食事会が開かれていた。

そこに、グール警部と名乗る
とても胡散臭い人物が訪ねてくる。

今夜一人の女性が死んだ。
自殺であった。
その理由を確かめるために来た。

グール警部は、家の人達に、
一人ずつ尋問を始める。

家族には無関係に見えたその女性は
家族全員と、なんらかの関わりがあった。

偶然の連鎖が一人の女性の人生を変える。
誰もそれは意図していないのに。


とても面白かった!
箱庭を覗き込むようなセットが効果的。
最後、枠の中の人と、外の人に別れたけど
それは価値観の違いだったり、
旧時代と新時代の違いだったりするのだろうか。
父親は、戦争はおこらない、経済も回復する
技術は進歩する、と言ったけど
そうでない世界が来てしまうんだよね。
そういった意味での旧時代と新時代。
あるいは、自分の過ちを認められか認められないか。
認められる方は新しい時代を生き抜く希望も暗示してるとか?

緻密な台詞な積み重ね。
しかし情報量は適切で
台詞が五月蠅すぎることはないし
不足も無い。
情景・状態がすんなり頭に入ってくる。

台詞量自体は多かったので役者さんは大変だよね。
初日とあって、今回は噛み噛み。
しかし、それで話の流れが途切れることはない。
空気を持続させられるのはさすが!!の皆様。

吉原さんだけ、台詞のトーンが違った。
他の人は張りのある声なのに。
それはたぶん・・・

最後は、どうとでも取れる。
それがまた面白い。

二時間があっという間でした。


作:J.B.ブリーストリー
演出・翻訳:小川絵梨子

アーサー・バーリング:広瀬彰勇
シビル・バーリング:末次美沙緒
シーラ・バーリング:遠山さやか
エリック:バーリング:高橋卓爾
ジェラルド・クロフト:芹沢秀明
グール警部:吉原光夫
エドナ:中島裕香子
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ウィンターズ・ボーン」

2011年11月05日 | 映画
ヤクの製造・販売人だった父が保釈中に逃走。
父は家や土地を保釈金の担保にしていたため
裁判に出席しないとそれらは政府に取り上げられる。
現実に疲れ精神を病んだ母と
幼い弟妹を守るため、
少女は父を捜すことにする。


寒々しい画面の中で展開されるシビアな話。
17歳の少女に降りかかる難題は辛すぎるけど、
話の根底のギリギリのところに
「情」のようなものが流れており、ちょっと救われる。

アメリカは広いな。
さっき見た作品と舞台は同じなんだな。
ここではイラク情勢なんか無関係なんだろうな。
どんなに粗末な家にもTVのアンテナがあったのが印象的。

父は、帰ってきたともいうし、
帰らなかったともいう。
この先、一家はどうなるのかなあ。

「母なる証明」の少女は
祖母を養うため売春をした。
こちらの彼女がしなかったのは、
お国柄ではなく、
たんに客になりそうな人がいないだけだよね。
人口が少ないのに親戚だらけで。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「フェア・ゲーム」

2011年11月05日 | 映画
イラクに大量破壊兵器製造は
不可能だったと報告したCIAの女性工作員と
その夫の元大使が、
戦争推進派、というか
「アメリカは正しい派」の政府に追いつめられ、
反抗する話、とでもいうのかなあ。
実話に基づいているそうです。

開戦に踏み切った政府が
失政から国民の目を逸らすために
個人攻撃へと問題をすり替えていく。

これが真実かはわからないし、
ちゃんと真実を掬うアメリカすげーっ!
とは言わないけど、
外国人が見て納得できる娯楽作品に仕上げたのは
正直にスゴい!と思う。
スパイの日常業務は、
カーチェイスと拳銃を撃つことはではなく、
あくまでも情報収集と分析が基本なんだよね。
当たり前なんだけどさ。 
テロリストを攻撃するのも愛国心だし、
真実を述べるのも愛国心なんだよね。

政府の意見と違うことを言う、が
イコール共産主義と罵られる、が
いまいちわからん。
国民一人一人の理性で国が成り立っているから
そうでないものを責め立てても良い、って発想は
清教徒の潔癖主義に由来するんだろうか。

ナオミ・ワッツの金髪が不自然だと思ったら
元の人がそうだったのね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アメリカン・グラフティ」(第2回午前十時の映画祭 青の50本)

2011年11月05日 | 映画
高校を卒業したばかりの若者達。
ある者は都会の大学へ進学し、
ある者は地元に残る。
新しい生活へ踏み出す、その前夜。
車を転がし、酒を飲み、人と出会い、
そして決断する。

この土地での明日が無い者
ここに残るしか無い者。
それぞれの一夜が過ぎ、
新しい朝が来る。

子供のころに想像していた「アメリカ」は、
まさしくこういった世界だった。
ロックが流れる街、
大きな車、ドライブインのハンバーガー。
50年代のアメリカ(のちょっと田舎)が舞台だけど、
それでも、国や時代が違っても
共通するなにかがある。
ちょっと胸キュン。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする