若き医師ジキルは、患者のトラウマを発見するため
自ら新薬の被験者となる。
その薬は忘れていた過去を掘り起こし、
彼を凶行に駆り立てる。
予想に反して、良かった。
キムシンの特有の人間大道具戦術と超少ない語彙が
良い方向に作用し、ストーリーが明確でわかりやすい。
「傷付いた自身の姿から目をそらすことが
トラウマの原因である」と
単純明快に簡単な言葉で描いているけど、
それは人が弱いから生まれるのではなく、
それだけ傷付くということは辛いことだから、
と肯定した上で、
誰もがトラウマを持ち得るけど、
その辛さから抜け、
日のあたる方へ行くこともできると説いている。
精神分析系を主題にすると、
「どれが真実なのか」系統の話になりがちで
そのため、観客を騙す仕掛け作りをするために
修辞をてんこもりにしてはぐらかそうとして
結局は空虚で実がない作品になりがちだけど
そこはキムシンなので、
超単純な言い回ししかないため
かえって、テーマが明確になっている。
大劇場公演だったら
「もっと脳味噌使って書けよ」と思うけど、
主題直球勝負の小劇場公演だから
これでいいと思う。
キムシンの個性が良い方に作用したね。
二重人格を「善良な医師」と「殺人鬼」ではなく、
「表層の自分」と「心の奥底の自分」に限定したのも良かった。
おどろおどろしい殺人と、
いつ「彼」の正体がばれるかの
ドキドキのエンターテイメント性が
すっぱり削ぎ落とされたため
寄り道をせず、主題に辿り着ける。
キムシンの性善説もそんなに鼻につかない。
やはり彼は小劇場向きなのかな。
真風は実に堂々とした真ん中振り。
ひとりだけ段違いな存在感がある。
台詞がやや聞き取りづらいところもあったけど
話の求心力があり、
芝居をぐいぐい引っ張っている。
歌も踊りも良くなったと思うよ。
風ちゃんは難しい役を的確に上手に演じていた。
このまま上がるかなあ。
ファニーフェイスの娘1でもいいんじゃない?
キムシンの謎は、
風ちゃんの役をはるこちゃんの姉に設定したこと
(妹でも話は成り立つじゃん?)と、
柚長にソロを歌わせることだ。
なぜに?
自ら新薬の被験者となる。
その薬は忘れていた過去を掘り起こし、
彼を凶行に駆り立てる。
予想に反して、良かった。
キムシンの特有の人間大道具戦術と超少ない語彙が
良い方向に作用し、ストーリーが明確でわかりやすい。
「傷付いた自身の姿から目をそらすことが
トラウマの原因である」と
単純明快に簡単な言葉で描いているけど、
それは人が弱いから生まれるのではなく、
それだけ傷付くということは辛いことだから、
と肯定した上で、
誰もがトラウマを持ち得るけど、
その辛さから抜け、
日のあたる方へ行くこともできると説いている。
精神分析系を主題にすると、
「どれが真実なのか」系統の話になりがちで
そのため、観客を騙す仕掛け作りをするために
修辞をてんこもりにしてはぐらかそうとして
結局は空虚で実がない作品になりがちだけど
そこはキムシンなので、
超単純な言い回ししかないため
かえって、テーマが明確になっている。
大劇場公演だったら
「もっと脳味噌使って書けよ」と思うけど、
主題直球勝負の小劇場公演だから
これでいいと思う。
キムシンの個性が良い方に作用したね。
二重人格を「善良な医師」と「殺人鬼」ではなく、
「表層の自分」と「心の奥底の自分」に限定したのも良かった。
おどろおどろしい殺人と、
いつ「彼」の正体がばれるかの
ドキドキのエンターテイメント性が
すっぱり削ぎ落とされたため
寄り道をせず、主題に辿り着ける。
キムシンの性善説もそんなに鼻につかない。
やはり彼は小劇場向きなのかな。
真風は実に堂々とした真ん中振り。
ひとりだけ段違いな存在感がある。
台詞がやや聞き取りづらいところもあったけど
話の求心力があり、
芝居をぐいぐい引っ張っている。
歌も踊りも良くなったと思うよ。
風ちゃんは難しい役を的確に上手に演じていた。
このまま上がるかなあ。
ファニーフェイスの娘1でもいいんじゃない?
キムシンの謎は、
風ちゃんの役をはるこちゃんの姉に設定したこと
(妹でも話は成り立つじゃん?)と、
柚長にソロを歌わせることだ。
なぜに?