きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

上野水香プロデュースバレエ「Jewels from MIZUKA」

2014年11月29日 | バレエ・ダンス

水香ちゃん主催のガラ公演です。
東バのガラ公演は殆ど無い状態だし
東バのレパートリーに無い演目を見られて
たいへん貴重な公演でした。
水香ちゃん、ありがとう!

◆オープニング
構成・映像:高橋竜太 音楽:G.ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」
全員


映像を使いながら出演者紹介。
レッスン着のダンサー達が
紗幕スクリーンに映し出された枠の中でポーズ。
枠の上にアルファベットで出演者名。
それぞれのポーズがとてもチャーミングでした。
もうちょい長めに舞台にいてくれたら
全員の名前が読めたんだけどな。
でも、オシャレなオープニングでした。


第一部
◆レ・トロワ・ジムノペディ
振付:ローラン・プティ 音楽:E.サティ
上野水香、柄本弾
ピアノ演奏:松木慶子

水香ちゃんは、さすがプティを踊り慣れている動き。
可愛く、どこかコケティッシュ。
弾くんは「芝居(役)」でなく、
「音楽そのもの」を踊るには
ちょっと経験値が足りないかな。
スタイルは髪も含め、スッキリ。


◆『パリの炎』より パ・ド・ドゥ
振付:ワシリー・ワイノーネン 音楽:B.アサフィエフ
沖香菜子、松野乃知

通常は若手の技術見せ演目。
2人とも賑やかしになるような
圧倒的な技術力、というほどではない。
けど、沖さんのハキハキとした踊りは
実に訴求力がある。
松野くんは卒なく踊っているけど、
もうちょい客に見せつけるようでないと。
特にこの演目は。
二人とも最後まで同じスピード同じテンションを保つのが大変そうだった。
最後の一瞬までキープって、実は難しいんだな。


◆QLOCK *新作初演
振付:高橋竜太 音楽:SINSKE「運命のドア」
高木綾、奈良春夏、吉川留衣、河合眞里、伝田陽美
高橋竜太、氷室友、杉山優一、松野乃知、岸本秀雄

数組のカップルに、時=運命が絡みつく、ってイメージでした。
それぞれのカップルにドラマがあり、追いかけきれない。
スーツっぽい衣装の高木さんがキリッとしてカッコイイ。


◆瀕死の白鳥
振付:マウロ・デ・キャンディア 音楽:C.サン=サーンス
ウラジーミル・マラーホフ

圧倒的に美しかった。
誰より存在感がある。
やっぱり大スターは違う。
ウエストより胸筋の下の胃の辺りに肉が付いているのかな。
すごく変わった体型になっている。
もちろん往時に比べると全体的に丸い。
それでも今までの出演者の中ではダントツで美しい。
素晴らしい白鳥だった。


◆シャブリエ・ダンス
振付:ローラン・プティ 音楽:AM.シャブリエ「ハバネラ」
上野水香、柄本弾
奈良春夏、木村和夫

水香ちゃん得意演目とあって
実に生き生きと踊っている。
なんというのか、生命力に溢れている。
弾くんの若さもそれに相まって
最初の演目よりとても見応えがあった。
大人のカップルの方も流麗だった。


第二部
◆『ジゼル』より 第二幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジャン・コラーリ/ジュール・ペロー 音楽:A.アダン
渡辺理恵、木村和夫

このペアは体格的に合うので
ぜひ本公演でも見たい。
とても美しい。
渡辺さんは腕のラインが綺麗。
人間味に溢れていて幽玄さは全くないけど、
全幕だと出るのか、ない役作りか、いずれにせよ楽しみ。
木村さんの脚の動きに惚れ惚れ。
もう怪我?からは回復したみたい?


◆『白鳥の湖』より アダージョ
振付:レフ・イワーノフ 音楽:P.I.チャイコフスキー
吉岡美佳、ウラジーミル・マラーホフ

美佳さんの白鳥は久し振りで嬉しい。
ちょいミスはあったけど、踊り慣れた安定感に安心。
やはり長年のプリンシパルは違うわ。
マラーホフも王子芸爆裂。
彼より王子なダンサーって思いつかないわ。
ありがたや。


◆『ドン・キホーテ』第三幕より
グラン・ディベルティスマン
振付:マリウス・プティパ 音楽:L.ミンクス
上野水香、柄本弾
乾友子、村上美香、吉川留衣、岸本夏未
川島麻実子、河合眞里、河谷まりあ、伝田陽美
木村和夫、梅澤紘貴、松野乃知
アントレ
乾友子、村上美香、吉川留衣、岸本夏未、河合眞里、伝田陽美
アダージョ
上野水香、柄本弾
パ・ド・トロワ
乾友子、吉川留衣、梅澤紘貴
ヴァリエーション1
河谷まりあ
バジルのヴァリエーション 
柄本弾
キトリのヴァリエーション 
上野水香
ヴァリエーション2 
川島麻実子
コーダ
上野水香、河谷まりあ、川島麻実子
木村和夫、柄本弾、梅澤紘貴、松野乃知 ほか

アダージオは水香ちゃんと弾くん。
ヌレエフ版に近いんじゃないかな。
最後は女性がバランスを取り、
男性が手を引いて回す方。

その後は梅澤くん&乾さん&吉川さんの1幕カスタネット前のソロ。
すごく溌剌とした踊りで見ていて気持ちが良い。
バジルとしての芝居もすごく自然だった。
こちらも本公演で見たいなあ。

河谷さん、弾くん、水香ちゃん、川島さんのソロの後は
男性陣で回り、女性陣で回る。
弾くんが最初1人で回ろうとしたら
かっこつけた男性陣が参加、など
ベタな演出なんだけど、すごく楽しかった。
イケイケムードでテンションアップ!


◆チーク・トゥ・チーク
振付:ローラン・プティ 音楽:I.バーリン
上野水香、ルイジ・ボニーノ

大好きな作品!
どこがどうとは言えないけど、
やっぱり水香ちゃんの脚はプティ好みの脚だなあ。
ボニーノもクドくなりすぎず
大人の男性と若い女性のオシャレな会話だった。


◆フィナーレ
全員

これも高橋くんの演出かな。
ジゼル渡辺さんに衣装が違う!
あれっ!と慌てるバジル木村さんとか、
携帯(iPhone)で話していて
吉岡さんに注意されるマラーホフとか
いろいろネタが入っていて面白かった。


カーテンコールは普通に。


プティにもベジャールにも直接指導を受けたことがある現役ダンサーって、
もう水香ちゃんぐらいなのかなあ。
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「寄生獣」

2014年11月29日 | 映画
原作は未読。

前半は人間世界に密やかに入り込む恐怖が上手く描かれていたけ。
日常が少しずつ変化していく。
母を失ったときの新一の慟哭が良かった。

後半は学園スプラッタテイスト。
なんで学園スプラッタってこんなに受けるんだろうね。
原作どおりなんだろうけど、
ちょっとげんなり。

盛り上がり始めたあたりで「続編に続く」になりました。
続きが気になるので完結編は見に行こうと思います。


「寄生されて人間らしさを失った」という表現が、
感情を表さずに淡々と、
でも言葉だけはくっきりハッキリ発する、
というもので、
まんま四季の開口法でした。
深津さんが開口法、と思うと可笑しいし、
開口がいかに表現力を削ぐかがわかりました。
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