与謝蕪村のこんな風景、今真っ盛りである。田舎での風景らしいが、ここ東京でも午前中、このような情景が見られる事が多い。桜並木の斜面下方に限りなく続く菜の花畑、空を眺めるとうっすらと東の方向に月が懸かっている。長閑な春の姿である。故郷の田舎での思い出が過る。ただ残念乍ら今の東京では菜の花畑も無いし、家々の屋根が三角に尖って高い。新家築法の改正で、3階建の家が建てられる傾向にある。この頃増えたトンガリ屋根が先例で大部分である。今この時代、それら本来の自然な家屋に反する傾向が、風景破りとして、見事に見せ付けられている。