12年前の今日、午前10時30分日本学術会議から車で3人宮中松の間に参内を許され、講書始の儀に11時40分迄出席した。厳粛感動の極みであり、両陛下皇族殿下共々お揃いの中、3人の講義を拝聴した。憶え偲べば、もう12年の歳月を経た事となる。今にして振り返れば、先頃は現在よりもっと静謐で人の心も穏やかであった様な気がする。科学が進歩して良きも悪しきも、国際関係も、瞬時に情報として世界中に拡散してしまう世の中となった。民族、宗教、平和、人権と叫べども、決して昔の平穏な地球環境に戻らないものと憶い憂うる。一面に亘っての全面広告を、4日前にある大学医学部が、或大新聞の朝刊へ出した。広告料は想像するに相当なものであったろうと思惟する。野口英世の実験中の写真と共にである。実は深い関係を述べている居る学校も、その他3校位有り、逆に名前すら載せていない医学史の教科書もある。私は掘り起こして学生には講義をして来ていたが、野口博士の「命の言葉」に共感している。それは「人生の最大の幸福は一家の和楽である」との格言である。