昔々の旧制中学では漢文や書簡文や校訓など、正規の授業で修学が課せられたものである。私の陸士入校時の挨拶や、歯大卒業時の答辞は、皆な揃って同様に、候文や文語文で起草し、発送発信したものばかりである。それ故に、今手元にあるそれらの原稿を見るに付け、単純明快に意思の疎通を計った事ども等が、妙に懐かしく偲ばれてならない。昨日、同門会から本年度の同門会誌の原稿依頼の封書を、受け取ったばかりである。「顧問挨拶」などと括弧書きが冠せられているが、その表題には毎年、協心戮力、同門の絆、終の棲家、一心同体、闊達敢為、などの4字熟語が頻用される事もあった。そこで今回は、成る可く従来使った言葉を避けて、日常語で簡単明瞭に記述したいものと考えている。しかし表題に4字熟語が入ると、文勢が強くなって読後感が鮮明に残り、記銘力が強力になる事は必定であろう。これが昭和初期の人間の守旧感の発露でもあろうかとも思われる。今日驟雨前の一瞬にメイを連れて公園での散歩が出来た。何時もの通りの排泄も出来たが、帰宅しての運動や摂食が思うようで無く、元気が無い。大変心配だがこのまま様子を見る事とした次第である。