Pada awal bulan 10, 2023..Mahasiswa dari Ateneo de Manila University mengikuti study tour oleh Yui-Tool di Lombok.
初めまして、吉野高幹(よしのこうき)と水村紗英(みずむらさえ)と申します。
現在、私たちはフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学の人類社会開発学部にて、修士を勉強しています。この度は、吉野の母校である北九州市立大学とマタラム大学のご縁の下、卒業プロジェクトとして、大学生に向けた環境教育と廃棄物管理のトレーニングを実施するために、タイやベトナムのチームメンバーとともにロンボク島を訪れ、2023年9月から1ヶ月ほど滞在しました。
プロジェクト実施前に様々なリサーチを行いましたが、英語や日本語ではうまく情報を得ることができず、NPO法人「ゆいツール開発工房」さんにコンタクトを取らせていただきました。急な連絡であったにも関わらず、快く組んでいただいたスタディツアーに参加し、ヌサ・トゥンガラ・バラット(NTB)州環境森林局、マタラム市環境局、クカイ・ブルスリごみ銀行、廃品回収業者、そしてKebun Kongok 処分場を訪れ、ロンボク島の廃棄物管理の実情を理解することができました。
本当にありがとうございます。
それぞれの訪問先とミーティングの内容を以下にまとめましたので、読んでいただけると幸いです。
1.NTB州環境森林局
NTB州環境森林局では、廃棄物管理・環境汚染制御部門長のFirmansyah氏と対談することができました。
(写真:Firmansyah氏とのミーティング)
私たちはFirmansyah氏へのインタビューを通して、ゴミ処理や環境教育に関するデータや実際の取り組みを知ることができました。また、実際のゴミ処理率やこれまでの成果、今後の目標や課題などを記した「ゼロ・ウェイスト・プログラム達成報告書2019-2023」を共有していただきました。
報告書によると、2018年時点では20%しか管理されていなかった廃棄物が、2023年時点では55%が適切に管理されており、少しずつではありますが、廃棄物管理に改善傾向が見られます。
また、ごみ銀行やマゴットセンター(うじ虫を使ったコンポストセンター)との連携が今後のカギであるとおっしゃっていました。
実際に2023年時点でごみ銀行の数は522となっており、167しかなかった2018年から大幅に増えており、ごみ銀行がロンボク島の廃棄物管理システムにおいていかに重要な存在になっているかを示しています。
一方、マゴット・プロジェクトは2年前に始まったばかりで、政府が提供する施設が2つあり、教育とトレーニングは政府が担当するものの、基本的にはコミュニティによって運営されています。
Firmansyah氏は、「1キログラムのウジ虫は1日に2〜5キログラムの有機廃棄物を食べることができ、その高いタンパク質含有量は家禽や魚の飼料として利用できる。また、家畜に直接与えたり、乾燥させてから与えたり、ペレットにすることもできる。マゴットの糞は非常に優れた有機肥料であり、植物の肥料にもなります」とおっしゃっており、これらのプロジェクトがうまく機能し、ロンボク島の廃棄物管理のシステム作りが早急にできれば良いなと思いました。
環境教育に関しても、すべての高校に環境教育を実施することを義務づける方針があり、「Adiwiyata school program」が200校以上で実施されているとのことでした。Adiwiyata school programは、インドネシアの学生コミュニティの間で環境保全の取り組みに関する知識と認識を促進することを目的とした環境省の重要なプログラムです。また、報告書によれば、2023年までの環境教育プログラムやキャンペーンの実施回数は850回、総受講者数は741,106人であったとのことで、過去5年間に多くの取り組みがなされていることがわかりました。
しかしながら、州政府が管轄できるのは高校のみであり、幼稚園、小学校、中等教育でこうしたプログラムを包括的に実施するには、地方自治体との協力が不可欠であるとのことで、今後環境教育を促進していくにあたっては、地方自治体やコミュニティ、さまざまなステークホルダーとの連携が不可欠であると感じました。
2.マタラム市環境局
マタラム市環境局では、環境局長官のIrwansyah氏およびPesona Harumの担当でもある I Made Wibisana Gunaksa氏とお話しすることができました。
(写真:Irwansyah氏および I Made Wibisana Gunaksa氏との記念撮影)
NTB環境森林局と同様に、私たちは彼らとのミーティングを通して、ゼロ・ウェイストの目標達成に向けた市の取り組みや今後の目標・課題について話を聞くことができました。彼らもまた、市と州では管理体制が異なるため、様々なステークホルダーを含めた協力が不可欠であると述べていました。Irwansyah氏は「有機廃棄物が排出される廃棄物全体の60%以上を占めており、これはマタラムの廃棄物問題に取り組むチャンスである。そして、有機廃棄物の量を減らす鍵は、マゴットセンターと環境教育である。」とおっしゃっており、将来的に有機廃棄物の40%がマゴットセンターによって処理されることを期待しているようです。
しかしながら、有機廃棄物と固形廃棄物の分別は住民個々人の責任であるため、近年はペソナ・ハルム(Pesona Harum)を通じて環境教育プログラムに力を入れているようです。Pesona Harumは、NTBゼロ・ウェイストを実現するための「廃棄物ゼロの環境を目指す運動(LISAN)」の一環である独自の政策です。2017年は7校のみで実施され、2018年と2019年は震災とCOVID-19の影響で中止となったようですが、2023年現在では60校で実施されており、今後実施校を増やしていくことを目標としているようです。
3.クカイ・ブルスリごみ銀行
クカイ・ブルスリごみ銀行は、有機ゴミやプラスチックを中心とした家庭ゴミを収集し、堆肥化やリサイクルを通して生活に役立つものに生まれ変わらせる、地域密着型のごみ銀行であり、今回は創設者であるパイズル氏にお話を聞きつつ、実際の取り組みについて学ぶことができました。
このごみ銀行では、2つの異なる方法で地域住民の廃棄物を交換しています。1つ目は、提出された廃棄物の量と同額のお金と交換するプログラム、もう1つは廃棄物を植物など他の製品と交換するプログラムです。
集められた廃棄物のうち、約70%が有機物、10%がプラスチック、20%がその他の固形廃棄物とのことで、有機廃棄物はコンポストに入れられ、発酵されたのち、最終的には肥料に加工されるようです。パイズル氏は独学で学んだ日本の高倉式コンポストを活用し、砂糖、米、ココナッツの水から堆肥を作っていました。また、家庭でも簡単な器具を使って堆肥を作る方法を村の人々に教えているとのことでした。
一方、プラスチックについては、ごみ銀行は通常PET、PP、HDPEをリサイクルしており、地元の人々から1kgのPETボトルをRp.2,000で回収し、回収業者にRp.3,500で販売している(PPはRp.5,000)とのことでした。地元の人々から回収した後、現在スラバヤのプラスチック回収業者に販売しているようですが、運営コストを削減し利益を最大化するため、近隣の島々で別の選択肢を探しているとのことです。
上記とは別に、プラスチックゴミから手作りの工芸品を作る方法も教えており、私たちもパイズル氏の娘さんから工芸品作りの一部を学ぶことができました。
(写真:パイズル氏とのミーティング)
学んだことは主に以下の4つです。
(1)環境教育の重要性
パイズル氏とのインタビューを通して、私たちは人々の行動や習慣、そして廃棄物問題を取り巻くシステム全体を変えるために、教育がいかに重要であるかを学び、再認識しました。
教育の重要性は、パイズル氏が繰り返し強調しており、彼はコミュニティを変えるために実施した段階的な教育方法を私たちに教えてくれました。
(2)活動の持続可能性
パイズル氏は「一朝一夕にできることではなく、大切なのは忍耐強くコミュニティと関わり続けることだ」と述べ、人々の行動を変えることの難しさを話してくれました。
(3)コラボレーション
私たちはパイズル氏の仕事を通して、協業の重要性を学びました。彼は、地元の大学の教育学部と協力することでより多くの学生に教えることができ、地元政府と協業することでより多くの家庭に堆肥化設備を提供することができています。活動の効果を最大化するためには、関係するステークホルダーの協力を得ることが重要であると感じました。
(4)環境教育には時間が必要
周辺の村々を訪れてみると、パイズル氏が継続的に教育を行っているにもかかわらず、ゴミのポイ捨てや不適切な廃棄物管理が散見されました。彼が言ったように、環境教育には時間が必要であり、徐々に変化していくのを辛抱強く見守る必要があるのかもしれません。
(次のブログへ続く・・・)
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NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)