2月のツアー 学生さんの感想 Yさん
今回参加したESDスタディツアーで、私は、人々が現代社会の生活で失ってきた大切なものを取り戻した感覚を味わった。現代を生きる人々は、効率や能力の高さを絶えず求められている結果、個性や感情、思いやりなど、本来人間がもつ大切なものを見失いつつあるのではないか。私たちはその大切なものを「人間らしさ」と呼んでいる。そして、「人間らしさ」を取り戻すために必要なものは何かを考え、議論してきた。今回のツアーでは、その答えとなるようなもの、すなわち「人間らしさ」を感じた瞬間が幾つもあった。
それらのうち最も印象的だったのは、間違いなく、ランタン村での生活であった。村の人たちは熱烈に私たちをもてなしてくれた。一方、彼らに合わせて私たちが無理な応えかけをしてしまわないよう、常に気を遣ってくれていた。先生が言っていたように、村の人たちは、人の表情や様子を読み取ることに長けていた。いつも私のことを気にかけてくれているという、ケアされているような感覚があったから、私は村で安心して過ごせたのだと思う。だから私はランタン村で、着飾ることのない素の自分でいられた。村の子どもたちや若者と一緒に歌ったり、子どもがする遊びやスポーツをしたりして、楽しいと思えたのだ。こういった素直な感情や振る舞いは、大学で過ごしているときにはあまり出すことがなかった。私が私本来のキャラクターでいることができて、自分はいま「人間らしく」過ごせていると感じた。
また、ツアー中に何度も言及してきたが、宗教を大切にする人々の暮らしに触れられたことがとても良かった。私は宗教をもってはいるが深く信仰はしていないのだが、宗教は人の心の支えになるのだと考えている。ロンボクの人々がモスクに集う姿や、イスラム教の教えを大切にしている様子を見たことで、私は改めて、宗教は心の支え、あるいは拠り所なのだと感じた。
私は今回のスタディツアーの至るところで、大学の教室では絶対に体験できない学びが得られ、とくにホームステイではランタン村の人々の「暮らし」(ゼミの学びのテーマの基底として私たちが2年前に選んだのが「暮らし」であった)に入り、学ぶことができた。このかけがえのない体験ができて本当に良かったと思っているし、いまの私でないと参加しようとは思わなかったであろうから、今冬にこのツアーを組んでくださった先生やゆいツールには本当に感謝している。スタディツアーで感じた、人がいるあたたかさや安心感、心の拠り所、それらを忘れないようにして、また参考にして、私と私の周りの人たちが「人間らしく」生きられるよう、これから少しずつでも自分を変えていけたらいいなと思う。
Yさんが参加したツアーの報告 ⇒ 報告①。報告②。報告③。報告④。報告⑤。報告⑥。報告⑦。報告⑧。
Nさんの感想はこちら。
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