裂き織りを以前は「ボロ織り』って言って、
あくまで使い古しの布の利活用ですから
もっぱらコタツカバーなどにしていたのです。
いつからなのでしょうか、
裂き織りが見直されてきたのは・・。
以前訪れた長野県小谷村で「ボロ織り」の取材をしたことがありました。
その時、亡き祖母の和箪笥に古い着物等があることを知っていたので、
すごく嬉しくなったのを覚えています。
自分が織りをしようなどとは全く思っていませんでしたが、
古布の魅力の洗礼をそのときに受けました。
タイで織りに再会したときも
そのことが頭のどこかに残っていたのかどうか定かでありません。
織りを習っていても綿の糸で織るばかりで、
裂き織りのことは忘れていたのです。
日本に帰国してからですね。
裂き織りというものがあることを知ったのは・・。
祖母が縫い物の仕事をしていたので、
蔵を片付けると布物がたくさん出てきます。
布団を包んでいた風呂敷を今日洗って干しました。
かつては着物だったものを
いいどこ取りで風呂敷にしたものです。
ほころんで、本当にボロです。
しかし、boroと書くと何だかおしゃれ!!
いい味出しています。
銘仙や大島なども混じっています。
使い切れないほどの布たち、
生かしてあげたいと思います。
祖母の執念さえ感じてしまいます。
多分昭和始め、大正の布たちも混じっているのではないでしょうか。
私にとっては宝のboroですが、
関心ない方にとってはただのボロ、
捨てられてしまいますね。
ここまで残ってきたことが奇跡?かな。
できれば痛んでいないところは裂き織りにしないで、
この柄を生かした何かにしたいと思います。