マチンガのノート

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「最下層女子高生 無関心社会の罪」 橘ジュン著

2016-11-10 00:05:29 | 日記
著者が関わった極度に生育歴に恵まれない10代から20代の女性の例が
数多く載せられているが、このような例を当事者と話し合い、
言語化し、思考できる関係を構築できるというのは、著者が
そのような生育歴、生活環境が在ることを認識して居るからなのだろう。
恵まれて育った大卒の心理士、医師ならば、そのような家庭や環境があることを
知らないので、話を聞いても何が起こっているかを認識できず、
話の最初で判らず、相手の家庭や生育歴で何が起きていたのか自体を
解るところまで、会話が進展しないだろう。
筆記試験中心で、ある程度恵まれていないと進学できないという教育制度は
実際に起きている事柄と、大卒の心理士、医師との社会に関する認識を
どんどん解離する方へ進めているのではないのだろうか?
これまでも臨床家が相手の状態を聞いても、生育歴、生活環境まで考えが及ばず、
「気にしすぎ」で済ませたり、眠剤や抗不安剤などを処方するのみで
相手の虐待されている状態や、家庭環境に介入せず、実質的な治療や援助を
せずに居たケースがほとんどではないのだろうか?
このような著作により、臨床家の視野が広がり、有効な対応が増えることを
願う他ないのだろう。